社会福祉法人の会計情報

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社会福祉法人の会計情報

社会福祉法人の会計その他の情報です

「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」に関するFAQ について

厚生労働省から以下の文書が出ていますので掲載します。

事務連絡
平成28年6月20日

都道府県

各 指定都市 社会福祉法人担当課(室) 御中

中核市

 

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課

 

社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」に関するFAQ について

 

 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」(平成28 年6 月20 日付厚生労働省社会・援護局福祉基盤課事務連絡)を発出したところです。

当該事務連絡に関するFAQ について、別添のとおり、まとめましたので、お示しいたします。今後、FAQ については、随時追加等を行っていく予定です。

 なお、本FAQ については、現時点の考え方を示したものであり、今後、変更があり得ることを申し添えます。

 また、都道府県におかれましては、貴管内の市(指定都市及び中核市を除き、特別区を含む。)に対して周知いただきますようお願いいたします。

 

 

 

 

社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」に関するFAQ

  

 社会・援護局 福祉基盤課
平成28 年6 月20 日

 

 

 

※本質疑応答集においては下記の略語を用いる。

「改正法」:社会福祉法等の一部を改正する法律(平成28 年法律第21 号)

「法」:社会福祉法等の一部を改正する法律による改正後の社会福祉法(昭和26 年法律第45 号)

 

(注)現時点の考え方を示したものであり、今後、変更があり得る。

 

社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」に関するFAQ

(目次)

H28.8.18 問31、32を一部修正しました。

評議員選任・解任委員会

問1 評議員選任・解任委員会を置く場合は、常時設置としなければならないのか。それとも、必要に応じその都度設置することができるものなのか。

(答)

1.評議員が欠けた場合等に迅速に対応できるよう、常時設置することが適当である。

 

問2 評議員選任・解任委員会を常時設置する場合、委員の任期を設ける必要はあるか。

(答)

1.常時設置する場合には、理事や評議員の任期を参考に委員の任期を設けることが適当である。

 

問3 評議員選任・解任委員会は誰が招集するのか。

(答)

1.評議員選任・解任委員会の招集は、法人運営の状況を把握し、業務執行に関し責任を負う理事会において決定し、理事が行うことが適当である。

 

問4 評議員選任・解任委員会の議事録を作成・保存する必要があるか。

(答)

1.適正な手続により評議員の選任・解任を行ったことについて説明責任を果たすことができるよう、議事録を作成することが適当である。

2.その際、出席委員又は委員長を置く場合には委員長の署名又は押印がされていることが適当である。

3.また、評議員選任・解任委員会の議事録は、評議員会や理事会の議事録と同様に、10年間保存しておくことが適当である。

 

問5 評議員選任・解任委員会の委員は誰が選任するのか。

(答)

1.評議員選任・解任委員は、法人運営の状況を把握し、業務執行に関し責任を負う理事会において選任する方法が考えられる。

2.この場合、特定の理事が委員を選任するとした場合、偏った委員構成となるおそれがあるため、理事会において決定することが適当である。

問6 理事が評議員選任・解任委員となることは可能か。

(答)

1.理事又は理事会が評議員を選任する旨の定款の定めは無効であることから(法第31条第5項)、理事が評議員選任・解任委員となることは認められない。

 

問7 評議員選任・解任委員会に理事は出席できるのか。

(答)

1.理事又は理事会が評議員を選任する旨の定款の定めは無効(法第31 条第5項)とする法の趣旨から、理事が評議員選任・解任委員会の議決に加わることは認められず、議事に影響を及ぼすことは適当でない。

2.他方、評議員選任候補者等の提案は理事会の決定に従い、理事が行うことが通常と考えられることから、その提案の説明・質疑対応のために理事が出席することは可能である。

 

問8 評議員選任・解任委員である事務局員に法人の職員がなることは可能か。

(答)

1.事務局員に法人の職員(介護職員等を含む。)がなることは可能である。

 

問9 評議員選任・解任委員会において、監事・事務局員・外部委員を委員にしないことは可能か。

(答)

1.監事・事務局員を委員としないことは可能であるが、評議員選任・解任委員会が法人関係者でない中立的な立場にある外部の者が参加する機関であることから、少なくとも外部委員1 名を委員とすることが適当である。

 

問10 理事、評議員評議員選任・解任委員になることは可能か。

(答)

1.理事については、理事又は理事会による評議員の選任・解任を禁止した法第31 条第5項の趣旨を踏まえ、認められない。

2.評議員については、自分を選任・解任することになるため、適当ではない。

 

問11 評議員選任・解任委員の人数に制限はあるのか。

(答)

1.評議員選任・解任委員の人数については、法人の規模等に応じて、各法人において判断することとなる。

2.ただし、評議員選任・解任委員会は合議体の機関であることから、3 名以上とすることが適当である。

 

問12 評議員選任・解任委員会における評議員の選任又は解任に係る議題又は議案の提案は誰が行うのか。

(答)

1.評議員の選任又は解任に係る議題又は議案の提案は、理事が行うこととすることが考えられる。

2.その場合、恣意的な評議員の選任又は解任を防止する観点から、理事会の決定を必要とすることが適当である。

 

評議員の兼職禁止

問13 現職の理事が新制度の評議員に就任する場合には、理事を辞職しなければならないのか。

(答)

1.新制度の評議員については、牽制関係を適正に働かせる観点から、理事との兼務は認められていない(法第40 条第2項)。このため、現職の理事が施行日に評議員に就任する場合には、施行日の前日までに理事を辞職する必要がある。

2.当該理事が辞職することにより、施行日以後法律又は定款で定めた理事の員数が欠けることとなる場合には、施行日までに代わりの理事が就任しなければならない。

この場合、当該代わりの理事の任期は、施行日以後最初に招集される定時評議員会の終結の時までとされる(改正法附則第14 条)ため、4月1日から3月末までを会計年度としている法人で、定時評議員会を毎年6月末に行っている法人を例にすると、その任期は、平成29 年6月末までとなる。

3.代わりの理事については、施行日以後最初に招集される定時評議員会において新制度の理事として再任されうる者を、あらかじめ選任しておくことが望ましいと思われる。

 

評議員の特殊関係者

問14 A 社会福祉法人評議員には、B 社会福祉法人評議員が就任することは可能か。可能な場合、人数制限はあるのか。

(答)

1.人数に制限なく兼務可能である。

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問15 A 社会福祉法人評議員には、B 社会福祉法人の役員や職員が就任することは可能か。

(答)

1.人数に制限なく兼務可能である。(図1)

2.ただし、牽制関係を適正に働かせる観点から、A 社会福祉法人評議員の過半数をB 社会福祉法人の役員が占める場合においては、A 社会福祉法人の役員又は職員がB 社会福祉法人評議員となることはできない。(図2)

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問16 A 社会福祉法人評議員には、社会福祉法人でないB 法人の役員又は職員が就任することは可能か。

(答)

1.可能である。

2.ただし、A 社会福祉法人評議員とB 法人の役員又は職員を兼務している者が、A 法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれてはならない。

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社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者

問17 当該法人の職員であった者は評議員となることができるか。

(答)

1.可能である。ただし、牽制関係を適正に働かせるため、退職後、少なくとも1年程度経過した者とすることが適当である。

 

問18 当該法人の経営について理解している地域住民は評議員となることができるのか。

(答)

1.法人において、「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」として適正な手続により選任されているのであれば、評議員となることは可能である。

 

問19 評議員は当該法人のある地域に居住する者に限定されるのか。

(答)

1.居住地等の地域による制限はない。

 

問20 共同評議員会の開催は可能か。

(答)

1.評議員会は法人の機関であることから、法人ごとに設けることとなる。

2.他方、他の社会福祉法人評議員会と同一の構成とすることは可能である。

3.その場合には、それぞれの評議員会を同じ日に同じ場所で開催することも可能であるが、時間帯については区分することが必要である。

 

問21 当該社会福祉法人の顧問弁護士、顧問税理士、顧問会計士は評議員となることはできるか。

(答)

1.法人運営の基本的事項を決定する者と業務執行を行う者を分離する観点から、評議員が業務執行に該当する業務を行うことは適当でない。

2.このため、例えば、法人から委託を受けて記帳代行業務や税理士業務を行う顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士については、評議員に選任することは適当でない。一方、法律面や経営面のアドバイスのみを行う契約となっている顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士については、評議員に選任することは可能である。

 

問22 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直し)」P25において、会計監査人を設置しない法人は、専門家から、財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を受けることが望ましいとされているが、法人から委託を受けて財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を行う者は評議員になることはできるのか。

(答)

1.評議員については、法人運営の基本的事項を決定する者と業務執行を行う者を分離する観点から、業務執行に該当する業務を行うことは適当でない。

2.このため、財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援の内容が助言にとどまる場合は可能であるが、業務執行に当たる場合には、評議員に選任することは適当でない。

 

問23 当該社会福祉法人の会計監査人は評議員となることができるか。

(答)

1.会計監査人については、公認会計士法第24 条において、役員やこれに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者については会計監査人になることができないとされている。評議員については、当該規定の「役員やこれに準ずるもの」に該当することから、評議員に選任することはできない。

 

評議員

問24 評議員会で役員の選任・解任の決議を行う場合、議題に記載されている者以外の者を選任又は解任することが可能か。例えば、「Aを役員として選任する件」という議題について、評議員が「Bを選任する」という議案を提案することは可能か。

(答)

1.評議員は、評議員会の場において、議題の範囲内で議案を提案することができる(法第45 条の8 第4 項で準用する一般法人法第185 条)とされている。2.議題が「役員を選任(解任)する件」であれば、理事提案の「A を選任(解任)する」という議案に対し、「B を選任(解任)する」という提案を行うことは可能。

3.これに対し、議題が「A を選任(解任)する件」であれば、「B を選任(解任)する」という議案は、当該議題の範囲外であるため、このような提案を行うことはできない。

 

問25 評議員会の議事録には、理事、監事又は評議員が記名押印する必要があるか。

(答)

1.評議員会の議事録は、評議員会の記録・証拠であるが、理事会の議事録のように出席理事等の署名又は記名押印から生ずる特別の法的効果(法第45 条の14 第8項参照)はないことから、法では、理事等の議事録への記名押印は、特に必要としていない(注1)。

2.しかし、議事録の原本を明らかにし、改ざんを防止する観点等から、評議員会の議事録についても、議事録作成者が記名押印を行うことが望ましいと思われる。

 

(注1)

 理事会の議事録には、出席した理事及び監事が記名押印しなければならないこととされている。定款で、記名押印すべき出席理事を、出席した理事長と定めることもできる(法第45 条の14 第6項)が、このような定款の定めを設けた場合であっても、理事長が出席しなかったときには、出席した理事と監事の全員が記名押印しなければならない。

 

(参照条文)

(理事会の運営)

第四十五条の十四 (略)

2~5 (略)

6 理事会の議事については、厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもつて作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した理事長とする旨の定めがある場合にあつては、当該理事長)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。

7 (略)

8 理事会の決議に参加した理事であつて第六項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。

9 (略)

 

 

問26 評議員会において、役員の再任案が否決され、欠員が生じた場合、どのように対応するのか。

(答)

1.法律又は定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、選任した役員(再任されなかった役員)が、新たに選任された役員が就任するまで、役員としての権利義務を有する(第45 条の6第1項)。

 

問27 「評議員に欠員が生じ、事務が停滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は利害関係人の請求により又は職権で、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる」とあるが、「利害関係人」はどのような者が該当するのか。

(答)

1.当該法人の他の評議員、役員、会計監査人、職員、債権者等が該当する。

 

問28 軽微な定款の変更を行う場合においても、評議員会を開催して決議を経る必要があるのか。

(答)

1.理事が評議員会の目的である事項(議題)について提案した場合において、当該提案につき評議員(当該事項について決議に加わることができる者)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をした場合は、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされる(法第45 条の9第10 項において準用する一般法人法第194 条第1項)。

2.したがって、評議員会の議案につき、評議員の全員から書面や電子メールで同意を得れば、評議員会を現実に開催しないことは可能である。

3.なお、適正な手続を行ったことの説明責任を果たすことができるよう、意思表示に係る文書又は電磁的記録については、議事録と同様に、その主たる事務所に10年間保存しておかなければならない(法第45 条の9第10 項において準用する一般法人法第194 条第2項)。

 

問29 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直しについて)」P9 において、「所轄庁は、評議員の申立てが権限濫用と認められる場合には、評議員会の招集を許可しないことができる。」とあるが、どのような場合が権限濫用と認められるのか。

(答)

1.権限濫用と認められる場合とは、例えば、

・ 平成28 年6 月20 日付け事務連絡「社会福祉法人制度改革における理事等の解任について」において示したとおり、理事等の解任事由は法人運営に重大な損害を及ぼすような重大な義務違反等がある場合に限定されると解されるが、このような場合に該当しないにもかかわらず、不当な動機により、又は議題が法人の利益に適合せず決議が成立する見込みのないことが客観的に明らかにもかかわらず、評議員会を招集しようとする場合である。

 

役員

問30 関係行政庁の職員から役員を選任することは可能か。

(答)

1.関係行政庁の職員が社会福祉法人の役員となることは、法第61 条第1 項の公私分離の原則に照らし適当でない。

2.社会福祉協議会にあっては、その目的である地域福祉の推進を図るための行政との連携が必要であることから、関係行政庁の職員が、その役員となることが可能である(法第109 条第5 項及び第110 条第2 項)。ただし、当該社会福祉協議会の役員総数の五分の一を超えてはならない。(法109 条第5 項及び第110 条第2 項)

 

問31 新制度の理事、監事、評議員の任期について教えていただきたい。

(答)

1.理事の任期

 理事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の集結の時までとされる(法第45 条)。ただし、定款によって短縮することは可能(法第45 条ただし書)。

 任期の終期が、「定時評議員会の終結の時まで」とされているのは、評議員会で選任されることに鑑み、次の選任の前に任期切れとなり欠員状態が生じるのを防ぐためである。

 例えば、定時評議員会を毎年6月末に行っている法人の理事の任期を例にすると、平成30 年6月末の定時評議員会で理事を選任した場合の理事の任期は平成32 年6月末の定時評議員会までの2年間となるが、平成30 年4月中旬に行った臨時評議員会で理事を選任した場合の理事の任期は平成32年6月末の定時評議員会までの2年2ヶ月間余となる。

 

2.監事の任期

 監事の任期についても、同様である。

 

3.評議員の任期

 評議員の任期は、原則として、選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとされる(法第41 条第1項)。定款で「4年」を「6年」まで伸長することは可能(同項ただし書)。

 

問32 理事の任期を「2年」の確定期間とする定款の規定は許されるか。

(答)

1.理事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までであり、定款によって短縮することが可能とされている(法第45 条ただし書)が伸ばすことはできない。

このため、理事の任期を「2年」とする規定を設けると、定時評議員会で理事を選任した場合は特段の問題はないものの、他方で、例えば、年度末の臨時評議員会で理事を選任した場合(3月末決算の法人が3月中旬の臨時評議員会で理事を選任した場合)には、理事の法定の最長の任期を伸長することなる。

2.したがって、そのような規定を設けることは適当ではない。

(参照条文)

(役員の任期)

第四十五条 役員の任期は、選任後二年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし、定款によつて、その任期を短縮することを妨げない。

 

 

問33 新制度の理事及び監事の任期の起算点はいつか。理事及び監事の選任に際し、選任決議の効力発生時期を遅らせたり、就任承諾日を遅らせることにより、任期の起算点を遅らせたりすることはできるか。

(答)

1.新制度の理事及び監事の任期の起算点は、いずれも「選任時」(選任決議をした時)となる(法第45 条)。

 ある者が、社会福祉法人の理事又は監事となるには、評議員会の選任行為(選任決議)と被選任者の就任承諾とが必要となる(同法第38 条参照)が、任期の起算点を「就任時」とすると、就任承諾は被選任者の意向に委ねられる結果、評議員会の選任決議と就任承諾との間に長期間の隔たりがある場合などにおいて、任期の終期が評議員会の意思に反する事態が生じかねないため、任期の起算点は、評議員会における「選任時」となる。

 例えば、会計年度末が3月の法人が、3月下旬に開催した臨時評議員会で理事の選任決議を行い、当該理事の就任承諾が6月1日になされたとしても、任期の起算点については、選任決議の日となる。

2.なお、例えば、会計年度末が3月の法人が、3月下旬に開催した臨時評議員会で理事の選任決議を行い、その選任決議の効力発生時期を6月1日とする場合のように、評議員会の決議で、選任決議の効力発生時期を遅らせたとしても、任期の起算点については、選任決議の日と解すべきである。

 

問34 理事、監事、評議員の補欠をあらかじめ選任しておくことは可能か。

(答)

1.理事及び監事については、欠員が生じた場合に備えて補欠を選任しておくことができる(第43条第2項)。補欠の役員の任期については、「2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで」を原則としつつ(法第45条)、定款によって、短縮することが可能であり、また、前任者の残任期間とすることが可能(法第45条)。

2.評議員についても、定款で定めるところにより、補欠を選任しておくことが可能である(第41 条第2 項)。補欠の評議員の任期も、「4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで」を原則とするが(法第41 条第1 項)、定款によって、任期を前任者の残任期間の満了する時までとすることができる(法第41 条第2項)。

 

問35 理事の資格要件において「当該社会福祉法人が施設を設置している場合にあっては、当該施設の管理者」となっているが、当該法人の全ての施設の管理者を理事にするということか。

(答)

1.施設経営の実態を法人運営に反映させるため、1 人以上の施設の管理者が理事として参加することを求めているものであり、当該法人の全ての施設の管理者を理事にする必要はない。

 

問36 株式会社のような執行役員制度を設け、業務執行の責任者を理事ではない者(執行役員)とすることは可能か。

(答)

1.理事会において、特定の業務執行を理事(理事長、業務執行理事)ではない執行役員に委譲することを決定すれば、そのような取扱いは可能である。

2.ただし、この業務執行権はあくまでも理事会により内部的に委譲されているにすぎず、対外的には、執行役員は代表権を持たない。

 

問37 監事の資格要件の「財務管理に識見を有する者」とはどのような者をいうのか。

(答)

1.監事は、計算書類等の監査を行うため、財務管理について識見を有する者がいることが必須である。

2.公認会計士や税理士の資格を有する者が望ましいが、社会福祉法人公益法人や民間企業等において財務・経理を担当した経験を有する者など法人経営に専門的知見を有する者等も考えられる。

 

問38 当該社会福祉法人の顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士は、同時に、当該法人の監事になることは可能か。

(答)

1.監事は、理事の職務や法人の計算書類を監査する立場にある。

2.法人から委託を受けて記帳代行業務や税理士業務を行う場合に、計算書類等を作成する立場にある者が当該計算書類等を監査するという自己点検に当たるため、これらの者を監事に選任することは適当でないが、法律面や経営面のアドバイスのみを行う契約となっている場合については、監事に選任することは可能である。

 

問39 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直し)」P25において、会計監査人を設置しない法人は、専門家から、財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を受けることが望ましいとされているが、法人から委託を受けて財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を行う者は監事になることはできるのか。

(答)

1.監事は、理事の職務や法人の計算書類を監査する立場にある。

2.財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援の内容が、助言にとどまる場合は可能であるが、業務執行に該当する場合には、自身で行った業務を自身で監査するという自己点検に当たるため、監事に選任することは適当でない。

 

会計監査人

問40 会計監査人の設置義務は、施行日(平成29 年4月1日)以降最初に招集される定時評議員会の終結の時から適用とされているため、会計監査人による監査は平成29 年度決算から必要となるものであり、平成28 年度決算については監査不要と理解してよいか。

(答)

1 お見込みのとおり。

 

問41 社会福祉法第45 条の2において、「公認会計士法の規定により、計算書類について監査をすることができない者は、会計監査人となることができない」とされているが、公認会計士法の規定により計算書類を監査することができない者とは具体的にどのような者か。例えば、役員、職員、評議員は会計監査人になることができないのか。

(答)

1.会計監査人については、公認会計士法第24 条第1項において、以下の計算書類については、会計監査ができないものとされている。

 ① 公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類

 ② 公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類

 ③ ①及び②に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類

2.したがって、

・ 当該社会福祉法人の役員(過去1年以内に当該法人の役員であった者含む。)、職員(過去1年以内に当該法人の職員であった者を含む。)については、上記①又は②に該当し、会計監査人になることはできない。

評議員については、上記①の「これに準ずるもの」に該当するため、会計監査人となることはできない。

 

問42 当該社会福祉法人から委託を受けて記帳代行を行う公認会計士は、同時に、当該法人の会計監査人になることは可能か。

(答)

1.記帳代行業務を行う公認会計士が、同時に、当該法人の会計監査人に就任した場合、自身が作成した計算書類を自身で監査することとなり、自己点検に該当するため、適当でない。

 

問43 当該社会福祉法人から委託を受けて税理士業務を行う公認会計士は、同時に、当該法人の会計監査人になることは可能か。

(答)

1.公認会計士法第24 条第1 項第3 号及び第2 項、同施行令第7 条第1 項第6 号において、税理士業務を行う公認会計士又はその配偶者が、当該法人から当該業務により継続的な報酬を受けているときには、監査業務を行うことができないとされており、会計監査人になることはできない。

 

(参照条文)

公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)

(特定の事項についての業務の制限)

第二十四条 公認会計士は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第二条第一項の業務を行なつてはならない。

公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類

公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類

三 前二号に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類

2 前項第三号の著しい利害関係とは、公認会計士又はその配偶者が会社その他の者との間にその者の営業、経理その他に関して有する関係で、公認会計士の行なう第二条第一項の業務の公正を確保するため業務の制限をすることが必要かつ適当であるとして政令で定めるものをいう。

3 国家公務員若しくは地方公務員又はこれらの職にあつた者は、その在職中又は退職後二年間は、その在職し、又は退職前二年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について、第二条第一項の業務を行つてはならない。

 

 

公認会計士法施行令(昭和二十七年政令第三百四十三号)

公認会計士に係る著しい利害関係)

第七条 法第二十四条第二項(法第十六条の二第六項において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める関係は、次の各号に掲げる場合における当該各号に規定する公認会計士又はその配偶者と被監査会社等との間の関係とする。

公認会計士又はその配偶者が、被監査会社等から税理士業務(税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条に規定する税理士業務をいう。以下同じ。)その他法第二条第一項及び第二項の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている場合

 

 

問44 会計監査人設置義務対象法人について、「法人の責めによらない理由(監査法人の倒産等)により、会計監査人による会計監査報告を所轄庁に届け出ることができない場合においては、所轄庁は届出の猶予等を行うことが必要。」とあるが、「法人の責めによらない理由」とは何か。

(答)

1.法人の責めによらない理由とは、①災害の発生、②公認会計士事務所又は監査法人の倒産、③会計監査人が法第45 条の5第1項各号(以下ⅰからⅲ)のいずれかに該当すること、により会計監査人と契約解除せざるを得ない場合である。

 ⅰ 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき

 ⅱ 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき

 ⅲ 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき 等

 

報酬

問45 交通費は支給基準を定める必要がある報酬に含まれるのか。

(答)

1.交通費の実費相当分は報酬に含まれない。なお、名称(「車代」等)にかかわらず、実質的に報酬に該当するものは、支給基準の対象とする必要がある。

 

問46 報酬等の支給基準を定めることとされているが、これは、非常勤理事や評議員に対して報酬を支給しなければならないということを意味するのか。

(答)

1.社会福祉法人の報酬等が、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与や社会福祉法人の経理状況等に照らし、不当に高額な場合には、法人の公益性・非営利性の観点から適当ではない。このため、理事等に対する報酬等が不当に高額なものとならないよう支給の基準を定めることとしている(法第45 条の35 第1項)。

2.報酬等の支給基準の策定は、報酬等の支給を義務付ける趣旨ではなく、無報酬でも問題ない。その場合は、報酬等の支給基準において無報酬である旨を定めることになる。

3.なお、定款で無報酬と定めた場合、又は、常勤役員等に対して「支給することができる」と規定しつつ、当面の間は役員報酬を支給する予定がない場合においても、支給基準は策定し、無報酬である旨を定める必要がある。

 

問47 理事、監事及び評議員の区分ごとの報酬等の総額については、職員としての給与も含めて公表することとしているが、職員給与を受けている理事が1名しかいない場合、当該理事の職員給与額が実質的に特定されることがあるが、このような場合であっても、公表する必要があるのか。

(答)

1.社会福祉法人の財務規律の確立、事業運営の透明性の確保の観点から、役員報酬等の総額を公表することは重要である。

2.他方、個人情報の保護の観点から、職員給与を受けている理事が1名の場合であって、個人の職員給与が特定されてしまう場合には、職員給与の支給を受けている理事がいる旨明記した上で、職員給与の支給を当該理事の職員給与額を含めずに役員報酬等の総額を公表することとして差し支えない。