社会福祉法人の会計情報

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特別監査実施結果について(京都市)

不正関係

 京都市の社会福祉法人で施設長による139万円の着服があったそうです。
 目にとまったので掲載してきます。

 京都市:社会福祉法人「七施会」に対する特別監査実施結果について

 内容については調査報告書をご覧ください。

 私が注目したのは財務監査に関する2つの指摘です。

5)法人における財務監査の実施状況について


 ア 法人内部における財務監査
 本事案に係る不正な支出が行われた平成27年度及び平成28年度決算に係る監事監査報告書においては,会計帳簿等の調査を行ったこととされているが,監事からの指摘事項は,特になしとされているなど,法人内部における財務監査の体制が十分機能していない状況であった。

 

 イ 法人外の第三者による財務監査
 当該法人では,顧問税理士との契約を締結し,毎月の決算関係処理を委託しているが,個々の支出の点検は,委託業務に含まれていない。

  この指摘についてはその通りなんだろうと想像はつきますが、以下のように思います。

 まず、顧問税理士は監査人じゃありませんので、支出の点検なんて通常実施しません。

 また、現況報告書によれば某税理士法人から「財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援」を受けていることになっています。

 法人詳細情報

 「財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援」については、実施報告書のひな型を見ればわかりますが、ほとんどが計算書類の整合性を見るだけです。しかも、計算書類の注記に「財務諸表に対する注記」という表現や「会計基準第3章第4(4)及び(6)の規定による・・・」という表現がある時点で・・・。

 結局、財務監査を実施する役目を主に担うのは監事しかありません。

 現況報告書によれば、この法人の28年度の監事全員の報酬総額は150,000円と書かれています。多くの法人でもこのような少額の監事報酬だと思いますし、未だに無報酬というところもあると思います。

 しかし、この程度の報酬で本当に監事監査ができるのでしょうか。適正な報酬を払い、きちんと監事監査を実施してもらわない限り、同様の指摘事例は後を絶たないかも知れません。