社会福祉法人の会計情報

社会福祉法人の会計情報

社会福祉法人の会計その他の情報です

社会福祉法人の決算公告(インターネット官報より)

開示関係

 ある社会福祉法人が官報に決算公告を行っています。30日でリンクは切れると思いますが掲載しておきます。

 平成30年7月30日付官報 号外 第168号 130頁(インターネット官報より)

 例えば株式会社は、会社法440条により毎年の決算を公告する義務が法定されていますが、社会福祉法人の場合は、該当する条文がなく、法律では定められていません。

会社法

(計算書類の公告)
第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。

  社会福祉法人だって「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」で公告をしていると思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、これは社会福祉法第59条の2に基づく情報の公表であって公告ではありません。

社会福祉法
(情報の公開等)
第五十九条の二 社会福祉法人は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該各号に定める事項を公表しなければならない。
 第三十一条第一項若しくは第四十五条の三十六第二項の認可を受けたとき、又は同条第四項の規定による届出をしたとき 定款の内容
 第四十五条の三十五第二項の承認を受けたとき 当該承認を受けた報酬等の支給の基準
 前条の規定による届出をしたとき 同条各号に掲げる書類のうち厚生労働省令で定める書類の内容

  ただし、社会福祉法人でも社会福祉法第53条、第54条の3、第54条の9などにより合併の際には官報へ貸借対照表の要旨を公告する必要があります。

社会福祉法

(債権者の異議)
第五十三条 吸収合併消滅社会福祉法人は、第五十条第三項の認可があつたときは、次に掲げる事項を官報に公告、かつ、判明している債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、二月を下ることができない。 
 吸収合併消滅社会福祉法人及び吸収合併存続社会福祉法人の計算書類(第四十五条の二十七第二項に規定する計算書類をいう。以下この款において同じ。)に関する事項として厚生労働省令で定めるもの
 
(債権者の異議)
第五十四条の三 吸収合併存続社会福祉法人は、第五十条第三項の認可があつたときは、次に掲げる事項を官報に公告、かつ、判明している債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、二月を下ることができない。 
 吸収合併存続社会福祉法人及び吸収合併消滅社会福祉法人の計算書類に関する事項として厚生労働省令で定めるもの
 
(債権者の異議)
第五十四条の九 新設合併消滅社会福祉法人は、第五十四条の六第二項の認可があつたときは、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、判明している債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、二月を下ることができない。 
 新設合併消滅社会福祉法人の計算書類に関する事項として厚生労働省令で定めるもの

 この法人の公告は、合併する旨の記載がなく貸借対照表の要旨だけなので、文字通り決算公告だと思われます。どのような趣旨によってなされたかは不明ですが、社会福祉法人が、数万円払って、官報に決算公告を掲載するのは非常に珍しい事例だと思います。