社会福祉法人の会計情報

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2019年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正に関する意見募集についての結果(パブリックコメント)

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 2019年3月28付で表記のパブリックコメント結果が公表されています。

 パブリックコメント:結果公示案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

 少し見難いですが、いつか消えてしまいますので、御意見の内容と厚生労働省としての考え方を掲載しておきます。

御意見の内容

厚生労働省としての考え方

特定処遇改善加算で、経験のある介護職員間で月に「8万円」給料が増えるといった誤ったイメージが独り歩きしているのではないか、全員の給料を8万円引き上げるべきではないか。

「8万円」については、「新しい経済政策パッケージ」(2017年12月8日閣議決定)において、「介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠」に、介護職員の更なる処遇改善を行うこととされたことを踏まえ、算定根拠としています。なお、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を目指し、経験・技能のある介護職員に重点化する観点から、「月額8万円」の改善又は「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」を設定・確保することとしています。

今回の特定処遇改善加算の趣旨は何か。また、

○ ①経験・技能のある介護職員(勤続10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方は、事業所の裁量で設定)において「月額8万円」の改善又は「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」を設定・確保

○ 平均の処遇改善額が、

・ ①経験・技能のある介護職員は、②その他の介護職員の2倍以上とすること

・③その他の職種(役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)以上の者は対象外)は、②その他の介護職員の2分の1を上回らないこと

など、ルールがきまっているが、その理由はなぜか。どのように運用するのか。

2019年度介護報酬改定では、これまでの取組に加えて、介護職員の更なる処遇改善を行うこととしています。具体的には、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を目指し、経験・技能のある介護職員に重点化する観点から、

○ ①経験・技能のある介護職員(勤続10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方は、事業所の裁量で設定)において「月額8万円」の改善又は「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」を設定・確保することとし、

○ 平均の処遇改善額が、

・ ①経験・技能のある介護職員は、②その他の介護職員の2倍以上とすることとしました。

また、「新しい経済政策パッケージ」において、「他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提」とされていることを踏まえ、介護職員の更なる処遇改善という趣旨を損なわない程度において、介護職以外の職種にも一定程度処遇改善を行う柔軟な運用を認める観点から、

○ 平均の処遇改善額が、

・ ③その他の職種(役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)以上の者は対象外)は、②その他の介護職員の2分の1を上回らないこととしました。

より具体的な運用方法等については、通知等にてお示しする予定です。

処遇改善加算については現在、前年度までに翌年度の加算の計画書を提出し、計画期間終了後に実績報告を提出することとなっているが、事業者及び指定権者の負担が大きくなっていることから、

①特定処遇改善加算についても、同様の計画及び実績報告が必要な制度とする予定か。

②また、処遇改善加算についても、計画及び実績報告のあり方について簡素化を検討すべきではないか。

処遇改善加算については、加算額が賃金改善に充てられるよう担保し、その適正な運用を図る観点から計画及び実行報告を求めているところ、今般の加算においても同様の運用を行う予定です。

その一方、文書量の削減にも取り組む必要があることから、引き続き検討していきます。

経験・技能のある介護職員に重点化した処遇改善では、法人内の役職者や他職種との給与バランスが崩れ、介護職員以外の職員のモチベーション低下が懸念される。

介護福祉士であっても、介護職員の経験を経て生活相談員やケアマネジャー、管理職等になっているケースも多々あるところ、給与の逆転現象が生じることで、上記のような職種・役職になりたい職員がいなくなる恐れがある。

したがって、職員の定着・育成につなげるために、特定処遇改善加算については柔軟な運用に制限を設けず、法人の裁量を認めるべきではないか。

介護職員と他産業との賃金差が依然として小さくない中、「新しい経済政策パッケージ」における介護職員の更なる処遇改善を行うという趣旨も踏まえ、事業所の裁量も一定程度認めつつ、経験・技能のある職員に重点化し処遇改善を行うことが適当であると考えております。なお、月額8万円の改善又は年収440万円の設定については、小規模な事業所で開設したばかりであるなど設定が困難な場合は法人の裁量により例外を認めることとしています。

現場で働く介護職員は継続した就業の未来に不安がある為介護職を選ばない、離職する人が多くいる。介護の現場はストレスも多く、賃金だけの問題ではない。

介護職員は働きやすさ等を求めているところ、賃金だけでなく、休みを確保する為の職員確保をきちんとしている事が重要ではないか。

介護職員の確保に当たっては、処遇改善だけではなく離職防止に向けた総合的な取組を行うことも重要であると考えており、処遇改善加算においては、これまでも、職場環境等要件を設け、賃金改善以外の職員の資質向上や労働環境の改善に向けた取組等を行うことを求めているところ。今般の加算においては、職場環境等要件において複数の取組を行うことを新たに求め、取組をより促進していきます。

在宅療養を支援するために、居宅介護支援専門員の役割はこれまで以上に重要になるにも関わらず、居宅介護支援専門員への直接的な処遇改善が図られないのはなぜか。勉強を経て介護支援専門員になっているにもかかわらず、処遇が低いので、居宅介護支援専門員の処遇改善にも取り組むべき。

これまでの数度にわたり取り組んできた介護職員の処遇改善をより一層進めるものであるため、これまでの介護職員処遇改善加算と同様のサービス種類とすることが適当であると考えております。

月額8万円のアップか年収440万円以上に引き上げるとする算定要件を満たすことは不可能な事業所があるところ、小規模事業所はどこも同じような状況があるのではないか。せめて、法人単位での配分を認めていただくように柔軟な対応をできるようにすべきではないか。

現行の処遇改善加算については、現在も特例として法人が複数事業所を有する場合、法人単位での申請を認めているところ、今般の更なる処遇改善においても同様の取扱いとする方向で検討しています。

訪問介護サービスに伴う介護職員等特定処遇改善加算の算定要件について、事業所として特定事業所加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定要件を満たしている事を条件に介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)を算定できるようにできないか。

経験・技能のある介護職員の数が多い事業所や職場環境が良い事業所について更なる評価を行うことが望ましいとされた中で、現時点で把握可能なデータや、事業所や自治体の事務負担等も鑑み、介護福祉士の配置が手厚いと考えられる事業所等を評価することとし、サービス提供体制強化加算や特定事業所加算等の取得状況に応じて、加算率を二段階に設定することとしています。

社会保障審議会介護給付費分科会(H30.12.26)において、「なお、介護職員の処遇改善については、例外的かつ経過な取扱いとして設けられたことを踏まえるべき、その必要性は認めつつも、保険者や利用者の負担に配慮すべきとの意見があった」とのことであり、経過的な加算というあり方を見直し、本体報酬の見直しを行うなどの検討をしていただきたい。

現行の処遇改善加算と同様、、加算額が賃金改善に充てられるよう担保するとともに、また財源の安定性を確保する観点から、介護報酬における加算として対応することが適当であるとされました。

処遇改善の在り方については、引き続き検討していきます。

更なる処遇改善について、1.10年以上勤続の介護職員、2.その他の介護職員、3.その他職種に分けられ、改善金額のおおよその割合が定められている。

介護を目指すきっかけが、「相談員やケアマネになりたい!」という思いの若者が少なからずいるのも事実であり、この現行案では彼らの介護業界への就職のモチベーションを下げてしまう。

経験の浅い「その他の職種」については、大きな改善は不要かもしれないが、介護職員と同様に10 年以上、この業界で働く彼らにも処遇改善をしてあげたいという願いがあるところ、地道に勤続して働く「その他の職種の処遇」にも格段のご配慮をお願いしたい。

介護人材の確保が大きな課題であり、また介護職員と他産業との賃金差が依然として小さくない中、「新しい経済政策パッケージ」の趣旨に基づき、経験・技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員の更なる処遇改善を行うこととしています。一方で、介護事業所のベースアップ等を図る観点から、介護職員の更なる処遇改善という趣旨を損なわない程度において、介護職以外の職種にも一定程度処遇改善を行う柔軟な運用を認めることとしており、それに基づき対応しているものです。

増税に伴う介護報酬プラス改定により、保険者が負担する介護給付費が増加することが予想されま

す。増税による収益を、介護保険財源としての国費に充て、保険者の負担を少しでも軽減していただくことを、ご検討ください。

介護保険制度においては、財源を安定的に確保し、制度を持続可能なものとするため、保険料、国庫負担、都道府県負担、市町村負担、利用者負担を適切に組み合わせています。国庫負担を引き上げるべきとの要望については、介護保険制度創設以来の分担ルールを変更するものであり、給

付と負担が明確な社会保険方式を採用していることを踏まえれば、慎重な検討が必要と考えています。

加算額100%職員に支給しなければならないことを法的に定めていただきたい。

今般改正する告示の中で、「介護職員等特定処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を実施すること」を加算算定の要件の原則として定めており、計画書及び実績報告書の提出により、それを担保しています。

今回の「特定処遇改善加算」についても、地域区分単価が反映した加算額になると考えられる。

こうしたことから、異なる地域区分間に事業所を有する法人においては、特に、「月額8万円以上」又は「年額440万円以上」の基準についても、地域区分単価等に応じて、その水準を弾力的に設定できるようにすべきではないか。

リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を実現するため、月額8万円又は年収

440万円となる者を設定・確保することを要件としています。なお、小規模な事業所で開設したばかりである等設定が困難である場合は合理的な説明を求める等一定の配慮を行うこととしています。

国は各事業所の実情を把握するためにヒアリングに出向き、実態把握をしてください。国自身でヒアリングできない場合は、都道府県にヒアリングを委託し、そのヒアリング結果をまとめるようにしてください。

ご意見として承ります。

介護職員等特定処遇改善加算1の要件について、各サービスにより算定できる加算が異なり、サービス提供体制強化加算、特定事業所加算、入居継続支援加算、日常生活継続支援加算の取得を要件としている。

それぞれ要件が異なるところ、サービスによって要件が異なるので、アンバランスである。修正すべきではないか。

経験・技能のある介護職員の数が多い事業所や職場環境が良い事業所について更なる評価を行うことが望ましいとされた中で、現時点で把握可能なデータや、事業所や自治体の事務負担等も鑑み、介護福祉士の配置が手厚いと考えられる事業所等を評価することとし、サービス提供体制強化加算や特定事業所加算等の取得状況に応じて、加算率を二段階に設定することとしています。

なお、経験・技能のある介護職員が多い事業所や職場環境が良い事業所をより精緻に把握する観点から、その方法について、今後の改定においても検討することが必要であると考えています。

平均的な勤続年数が3~4年という業界において10年以上という縛りは非現実的であり、何を根拠にしているのか。また介護福祉士だけでまたは介護職だけで乗り切ってきた介護現場ではない。10 年という重みを考えると10年選手には資格の有無はあるとしても資格の種類の幅を広げていただきたい。(介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・保健師・歯科衛生士等の国家資格保有

者)

介護職員の平均勤続年数や介護職員の賃金が全産業や他職種と比較して低い等の状況があることから、「新しい経済政策パッケージ」に基づき、事業所の裁量も一定程度認めつつ、経験・技能のある職員に重点化し処遇改善を行うこととしています。なお、経験・技能のある介護職員について、勤続10年以上の介護福祉士を基本としつつ、勤続10年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとしています。

「賃金改善に要する費用の見込み額が月額8万円以上」に関しては、法定福利経費を含むものと解されるが、この他にも、「経験・技能のある介護職員」を育成するための研修経費についても、介護職員の自主的な研修への直接的な補助を行う場合など賃金改善と同等とみなせるものについては一定の範囲内で認めることとしてはどうか。

介護職員と他産業との賃金差が依然として小さくない中、更なる処遇改善による収入が、確実に賃金に反映されることが重要という観点から、賃金改善のみに充てる(賃金改善に伴う法定福利費の増加分を含むことができます。)こととしています。

人材確保が非常に厳しい環境にある介護現場において、「経験・技能のある介護職員」を確保・育成し、その割合を段階的に高めながら、サービスの質を上げていこうとする事業所にとって、この特定処遇改善加算を逆に制約要因になることを防ぎつつ有効に活用できるよう、一定の計画提出等の要件とともに、賃金改善について複数年度にわたる充当を認めることとしてはどうか。

加算額が賃金改善に充てられることを担保するため、現行の処遇改善加算においても、事業年度ごとに処遇改善の実績を報告することを求めています。なお、キャリアパス要件や職場環境等要件においては、職位・職責等に応じた任用要件の設定や研修制度の整備等を求めており、単年度に限らない取組を評価しています。