社会福祉法人の会計情報

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社会福祉法人等指導監査の結果を公表します(奈良市)

指導監査関係

 奈良市のホームページに平成30年度の指導監査結果が公表されています。

 社会福祉法人等指導監査の結果を公表します - 奈良市

 法人毎に文書指摘の内容が記載されているので、具体的にどのような不備があったかよくわかり参考になります。

 「計算書類の不備 10件」とか「監事の選任手続きの不備 5件」とか抽象的な項目と件数だけを書いて結果報告としている自治体もありますが、それを知ってもほとんど役にも立ちません。

 他法人で具体的にどのようなミスがあったか知ることで、自法人の運営の改善に役立てることができると思います。奈良市の社会福祉法人の皆様は、この決算理事会や評議員会などで同様のミスをしないように注意してください。

 これってどういうことなの?と詳しく聞いてみたいような項目もありますが、それはさておき、雑感を記載しておきます。

・社会福祉法人の事業は労働集約型ですから、人件費項目は金額的にも質的にも重要だと思います。にもかかわらず、未だに賞与引当金を計上していないところがあるのは不思議です。

・「注記及び附属明細書の記載が誤っている項目若しくは未更新となっている項目が多数見受けられた」という指摘に対して「税理士に依頼していたから確認作業が手薄になった」というのも変な話だと思います。現状報告書に名前が出ることもあるので、社会福祉法人の顧問の先生は注意してください。

・改善報告書の記載内容は要約しているそうですが様々ですね。これで改善完了とするのか改善中なのか、その評価も欲しいところです。

・前回指摘事項という項目もありますが、指摘事項は監事監査でも重点的にチェックすべきだと思います。監事さんは本当に監査しているのでしょうか。

・各会議に欠席している理事、監事、評議員に関する指摘がありますが、充て職などの必ずしも適任だと思えない人を選任することが間違いではないでしょうか。社会福祉法人制度改革の流れに反する人事だと思います。

・指摘する側の根拠に「会計基準注解」や「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運上の留意事項について」というのが記載されているのは愛嬌でしょうか。

 等々