社会福祉法人の会計情報

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定款細則の考え方

制度改革情報

 もう定款変更を済ませて落ち着いたという社会福祉法人もあると思いますが、まだ定款変更の真っただ中という法人もたくさんあると思います。そんな中で定款細則について困っているという話を耳にします。

 私の知る限り、現時点において定款細則例というのは出ていません。もう厚生労働省から出ることはないのではないかと考えています。

 東京都社会福祉協議会の「経営相談室だより№117(平成28年8月1日)」の3ページには『「定款細則」(案)と「評議員選任・解任委員会細則」(案)について』と題して、東京都と協議のうえ確認ができたら案内予定だと記載されていますが、残念ながら私のような一般人には公表されていません。

 ただし、所轄の違いや法人の考え方、定款の定め方の違いもありますので、定款細則例が公表されても必ずしも全ての社会福祉法人にフィットするものにはならないと思います。

 結局、各社会福祉法人で合うものを作成するしかないと思います。では最低限何が必要か考えてみます。

 定款細則ですから、別に定めることが明示されている項目に着目する必要があります。この視点で定款例を見ていくと以下のようなものがあります。

 第6条3項「評議員選任・解任委員会の運営についての細則」
 第17条2項「業務執行理事の業務執行範囲」
 第21条1項「役員報酬の基準」
 第24条1項「日常の業務として理事会が定める理事長の専決事項」
 第30条1項「理事会の定める資産管理の方法」
 第34条  「理事会の定める経理規程」

 このうち下の2つはどちらも経理規程で足りていますね。残る上4つのうち業務執行理事は任意なので割愛します。

 次に、定款の規定の仕方にもよりますが、評議員会と理事会の運営規程は基本的な組織運営規程になりますので、定款細則なり別規程なりで定めておいたたほうがよいかも知れません。

 結局、以下のような内容の規程が必要になるのではないかと思います。

評議員選任・解任委員会運営細則
・役員報酬規程
・理事長専決規程
評議員会運営規程
・理事会運営規程

 理事長専決規程以外は過去の記事でひな型を載せている自治体を紹介したことがあると思います。理事長専決規程は従来からあると思いますので、定款例の備考を参考にしながら、その内容を改訂すればいいだけですね。

 全てを定款細則としてもいいですし、各個別規程でもいいですし、組み合わせてもいいようですので、形式は問われないと思います。

 法令定款に反する内容だけは定めてはいけないことは当然ですが、実際に運用できる内容になるように注意してください。

 以上はあくまでもひとつの考え方を示しただけで、これで大丈夫かどうかはわかりません。責任は一切負いませんのでご自身でご判断ください。実際に定款細則を作成される場合は、必ず所轄庁にご確認ください。

 もし、既に作成された社会福祉法人の方で「こんないいひな型があるよ」という情報がありましたら、是非ご連絡ください。