社会福祉法人の会計情報

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社会福祉法人の会計その他の情報です

社会福祉充実残額が多く出た場合は人件費を再確認

その他の情報

 社会福祉法人の皆様はもう決算が固まった頃かと思います。決算処理自体は昨年と変わりませんので、もうずっと前に終わっているかもしれません。

 ところで、固まった決算数値で計算してみたら、社会福祉充実残額がプラスになってしまってたので、社会福祉充実計画を作成することになり、慌てている法人はありませんか。

 或いは、社会福祉充実残額がプラスになることはわかっていたが、社会福祉充実計画が立てにくいので、もう少し社会福祉充実残額を減らしたいと考えている法人はありませんでしょうか。

 3月までなら実際にキャッシュアウトすることによって、多少の調整はできても、4月以降はできません。したがって、見直すことが出来るのは非資金取引ということになります。

 非資金取引にもいろいろありますが、まずは人件費について以下の点を見直して下さい。

 

・人件費は発生主義に基づいて適正に計上しているか。

 例えば、20日締めで25日に給与を支給している場合は21日から31日までの給与を未払計上するのが正しい会計処理です。また、残業代を翌月給与で支払う場合は、3月分の残業代を未払計上するのが正しい処理です。

・賞与引当金とこれに対する法定福利費を適正に計上しているか。

 賞与引当金を計上している場合は正しく賞与を見積もっているでしょうか。前年支給額一人当たりの単価を期末人員数に乗じて計算している場合は、今期の昇級分が反映されていないので、見積額が低く計算されてしまいます。

 また、賞与引当金に対する法定福利費は計上していますか。会計士が初めて監査するときによく指摘する項目です。

・退職給付引当金を適正に計上しているか。

 退職給付引当金は、給与規定や退職金規定で対象となる算定可能な職員の方のすべての分を計上していますでしょうか。退職給付制度は様々ですので、正職員とパート職員、介護職と医療職など従業員によって制度が異なるケースがあるかも知れません。それぞれに応じた見積計上が必要です。

 

 実は、これらの項目は社会福祉充実残額がプラスであろうがマイナスであろうがチェックすべき項目です。会計監査を受ける法人は、予備調査で指摘や指導を受けて正しい処理になっていると思いますが、そうでない法人の皆様は、自主的に見直してみてはいかがでしょうか。