社会福祉法人の会計情報

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平成33年度以降の収益10億円超または負債20億円超の社会福祉法人への会計監査導入に関するひとつの視点

会計監査人関係

 社会福祉法人とは直接関係がないと思われる下記の文書に社会福祉法人の会計監査に関する記述があったので紹介します。

 「確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準等について」の改正案に関する御意見募集(パブリックコメント)の結果について

 興味のある方は、ご意見№13をご覧になってください。
 
 簡単に説明すると、確定給付企業年金のガバナンスを強化すべきという議論を受けて、資産総額20億円超の総合型基金に外部専門家による会計のチェックを受けることが新たに義務付けられることになりました。
 
 この改正に対するパブリックコメントで「総合型基金を資産総額20億円で仕切ったことの根拠となる資料、理由は何なのか」という意見がありました。
 
 その回答として「20億円の基準は、本格的な会計監査を導入することとしている社会福祉法人が負債20億円超の法人とされていることを参考に設定しています」という厚生労働省のコメントが記載されています。
 
 この負債20億円超の社会福祉法人に対する会計監査導入は平成33年度以降の第3段階の話ですね。しかし「段階施行の具体的な時期及び基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討する」とされていますので流動的な部分もあります。
 
 もし、収益10億円超または負債20億円超の社会福祉法人には会計監査が導入されなかった場合、資産総額20億円超の総合型基金への外部専門家のチェックの根拠が揺らぐことになりかねません。
 
 平成33年度以降の収益10億円超または負債20億円超の社会福祉法人への会計監査導入については懐疑的な見方をされている方もいらっしゃると思いますが、このパブコメの回答を見る限りでは、厚生労働省は予定通り導入することを前提に考えているのではないでしょうか。