社会福祉法人の会計情報

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「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」等に関するQ&A (平成29年2月6日改訂)【厚生労働省】

制度改革情報

 平成29年2月6日改訂版をリンク目次付で掲載しておきます。 

 

 

「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」等に関するQ&A

  

 社会・援局 福祉基盤課
平成28 年6 月20 日
(平成28年11月11日改訂)
(平成29年2月6日改訂)

 

 

 

※本質疑応答集においては下記の略語を用いる。「改正法」:社会福祉法等の一部を改正する法律(平成28 年法律第21 号)「法」:社会福祉法等の一部を改正する法律による改正後の社会福祉法(昭和26 年法律第45 号)

 

(注)現時点の考え方を示したものであり、今後、変更があり得る。

 

「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について」等に関するQ&A

(目次)

 

評議員選任・解任委員会

問1 評議員選任・解任委員会を置く場合は、常時設置としなければならないのか。それとも、必要に応じその都度設置することができるものなのか。

(答)

1.評議員が欠けた場合等に迅速に対応できるよう、常時設置することが適当である。

 

問2 評議員選任・解任委員会を常時設置する場合、委員の任期を設ける必要はあるか。

(答)

1.常時設置する場合には、理事や評議員の任期を参考に委員の任期を設けることが適当である。

 

問3 評議員選任・解任委員会は誰が招集するのか。

(答)

1.評議員選任・解任委員会の招集は、法人運営の状況を把握し、業務執行に関し責任を負う理事会において決定し、理事が行うことが適当である。

 

問4 評議員選任・解任委員会の議事録を作成・保存する必要があるか。

(答)

1.適正な手続により評議員の選任・解任を行ったことについて説明責任を果たすことができるよう、議事録を作成することが適当である。

2.その際、出席委員又は委員長を置く場合には委員長の署名又は押印がされていることが適当である。

3.また、評議員選任・解任委員会の議事録は、評議員会や理事会の議事録と同様に、10年間保存しておくことが適当である。

 

問5 評議員選任・解任委員会の委員は誰が選任するのか。

(答)

1.評議員選任・解任委員は、法人運営の状況を把握し、業務執行に関し責任を負う理事会において選任する方法が考えられる。

2.この場合、特定の理事が委員を選任するとした場合、偏った委員構成となるおそれがあるため、理事会において決定することが適当である。

問6 理事が評議員選任・解任委員となることは可能か。

(答)

1.理事又は理事会が評議員を選任する旨の定款の定めは無効であることから(法第31条第5項)、理事が評議員選任・解任委員となることは認められない。

 

問7 評議員選任・解任委員会に理事は出席できるのか。

(答)

1.理事又は理事会が評議員を選任する旨の定款の定めは無効(法第31 条第5項)とする法の趣旨から、理事が評議員選任・解任委員会の議決に加わることは認められず、議事に影響を及ぼすことは適当でない。

2.他方、評議員選任候補者等の提案は理事会の決定に従い、理事が行うことが通常と考えられることから、その提案の説明・質疑対応のために理事が出席することは可能である。

 

問8 評議員選任・解任委員である事務局員に法人の職員がなることは可能か。

(答)

1.事務局員に法人の職員(介護職員等を含む。)がなることは可能である。

 

問9 評議員選任・解任委員会において、監事・事務局員・外部委員を委員にしないことは可能か。

(答)

1.監事・事務局員を委員としないことは可能であるが、評議員選任・解任委員会が法人関係者でない中立的な立場にある外部の者が参加する機関であることから、少なくとも外部委員1 名を委員とすることが適当である。

 

問10 理事、評議員は評議員選任・解任委員になることは可能か。

(答)

1.理事については、理事又は理事会による評議員の選任・解任を禁止した法第31 条第5項の趣旨を踏まえ、認められない。

2.評議員については、自分を選任・解任することになるため、適当ではない。

 

問11 評議員選任・解任委員の人数に制限はあるのか。

(答)

1.評議員選任・解任委員の人数については、法人の規模等に応じて、各法人において判断することとなる。

2.ただし、評議員選任・解任委員会は合議体の機関であることから、3 名以上とすることが適当である。

 

問12 評議員選任・解任委員会における評議員の選任又は解任に係る議題又は議案の提案は誰が行うのか。

(答)

1.評議員の選任又は解任に係る議題又は議案の提案は、理事が行うこととすることが考えられる。

2.その場合、恣意的な評議員の選任又は解任を防止する観点から、理事会の決定を必要とすることが適当である。

 

問12-2 評議員が評議員選任・解任委員会の委員になることは、「自分を選任・解任することになるため、適当ではない」(問10)とあるが、当該評議員が、次の評議員に選出されないことが明らかな場合は、委員となる事が可能と考えて良いか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問1同旨】

(答)

1.法人の判断で、次の評議員にならない者を選任・解任委員にすることは差し支えない。

 

問12-3 評議員選任・解任委員会の委員に報酬を支払うことは可能か。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問2 同旨】

(答)

1.可能。ただし、社会福祉法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないようにすることが適当である。

  

問12-4 新評議員選任のために必要な理事会は、①定款変更手続きのための理事会、②定款変更認可後の評議員選任・解任委員会設置等のための理事会であり、少なくとも2回開催することが必要なのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問3 同旨(修正)】

(答)

1.定款変更認可後に②の理事会を開くことが適当であるが、定款変更の認可を前提として、評議員選任・解任委員会設置に係る議案を①と同じ理事会で審議することも可能である。

2.ただし、評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定については、所轄庁の定款変更の認可後が適当であるが、制度改正に伴う今年度の手続に限り、例えば、定款変更の申請後一定期間を経過しても所轄庁の認可がない等、平成29 年3 月31 日までに新たな評議員の選任を行うことが困難な場合には、定款変更の認可を前提として、認可前に評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定を行うことも差し支えない(評議員に関する定款上の規定が法令及び通知等に違反している場合を除く)。

評議員の兼職禁止

問13 現職の理事が新制度の評議員に就任する場合には、理事を辞職しなければならないのか。

(答)

1.新制度の評議員については、牽制関係を適正に働かせる観点から、理事との兼務は認められていない(法第40 条第2項)。このため、現職の理事が施行日に評議員に就任する場合には、施行日の前日までに理事を辞職する必要がある。

2.当該理事が辞職することにより、施行日以後法律又は定款で定めた理事の員数が欠けることとなる場合には、施行日までに代わりの理事が就任しなければならない。

 この場合、当該代わりの理事の任期は、施行日以後最初に招集される定時評議員会の終結の時までとされる(改正法附則第14 条)ため、4月1日から3月末までを会計年度としている法人で、定時評議員会を毎年6月末に行っている法人を例にすると、その任期は、平成29 年6月末までとなる。

3.代わりの理事については、施行日以後最初に招集される定時評議員会において新制度の理事として再任されうる者を、あらかじめ選任しておくことが望ましいと思われる。

 

評議員の特殊関係者

問14 A 社会福祉法人の評議員には、B 社会福祉法人の評議員が就任することは可能か。可能な場合、人数制限はあるのか。

(答)

1.人数に制限なく兼務可能である。

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問15 A 社会福祉法人の評議員には、B 社会福祉法人の役員や職員が就任することは可能か。

(答)

1.人数に制限なく兼務可能である。(図1)

2.ただし、牽制関係を適正に働かせる観点から、A 社会福祉法人の評議員の過半数をB 社会福祉法人の役員が占める場合においては、A 社会福祉法人の役員又は職員がB 社会福祉法人の評議員となることはできない。(図2)

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問16 A 社会福祉法人の評議員には、社会福祉法人でないB 法人の役員又は職員が就任することは可能か。

(答)

1.可能である。

2.ただし、A 社会福祉法人の評議員とB 法人の役員又は職員を兼務している者が、A 法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれてはならない。

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社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者

問17 当該法人の職員であった者は評議員となることができるか。

(答)

1.可能である。ただし、牽制関係を適正に働かせるため、退職後、少なくとも1年程度経過した者とすることが適当である。

 

問18 当該法人の経営について理解している地域住民は評議員となることができるのか。

(答)

1.法人において、「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」として適正な手続により選任されているのであれば、評議員となることは可能である。

 

問19 評議員は当該法人のある地域に居住する者に限定されるのか。

(答)

1.居住地等の地域による制限はない。

 

問20 共同評議員会の開催は可能か。

(答)

1.評議員会は法人の機関であることから、法人ごとに設けることとなる。

2.他方、他の社会福祉法人の評議員会と同一の構成とすることは可能である。

3.その場合には、それぞれの評議員会を同じ日に同じ場所で開催することも可能であるが、時間帯については区分することが必要である。

 

問21 当該社会福祉法人の顧問弁護士、顧問税理士、顧問会計士は評議員となることはできるか。

(答)

1.法人運営の基本的事項を決定する者と業務執行を行う者を分離する観点から、評議員が業務執行に該当する業務を行うことは適当でない。

2.このため、例えば、法人から委託を受けて記帳代行業務や税理士業務を行う顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士については、評議員に選任することは適当でない。一方、法律面や経営面のアドバイスのみを行う契約となっている顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士については、評議員に選任することは可能である。

 

問22 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直し)」P27において、会計監査人を設置しない法人は、専門家から、財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を受けることが望ましいとされているが、法人から委託を受けて財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を行う者は評議員になることはできるのか。

(答)

1.評議員については、法人運営の基本的事項を決定する者と業務執行を行う者を分離する観点から、業務執行に該当する業務を行うことは適当でない。

2.このため、財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援の内容が助言にとどまる場合は可能であるが、業務執行に当たる場合には、評議員に選任することは適当でない。

 

問23 当該社会福祉法人の会計監査人は評議員となることができるか。

(答)

1.会計監査人については、公認会計士法第24 条において、役員やこれに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者については会計監査人になることができないとされている。評議員については、当該規定の「役員やこれに準ずるもの」に該当することから、評議員に選任することはできない。

  

問23-2 嘱託医は評議員になることは可能か。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問4同旨】

(答)

1.改正法第40 条第2 項において、評議員は役員又は職員の兼務を禁止している。そのため、非常勤の医師についても雇用関係がある限りは、職員であることから、評議員を兼務することはできない。

2.また、記帳代行や税理士業務等を行う者や顧問弁護士・会計士・税理士法人で助言にとどまらず法人経営にも関与している者を評議員に選定することは適当ではない。

3.一方、嘱託医については、法人から委嘱を受けて施設等において診察等を行う範囲にとどまるものであり、雇用関係がなく、法人経営に関与しているものではないことから、評議員になることは可能である。

評議員会

問24 評議員会で役員の選任・解任の決議を行う場合、議題に記載されている者以外の者を選任又は解任することが可能か。例えば、「Aを役員として選任する件」という議題について、評議員が「Bを選任する」という議案を提案することは可能か。

(答)

1.評議員は、評議員会の場において、議題の範囲内で議案を提案することができる(法第45 条の8 第4 項で準用する一般法人法第185 条)とされている。

2.議題が「役員を選任(解任)する件」であれば、理事提案の「A を選任(解任)する」という議案に対し、「B を選任(解任)する」という提案を行うことは可能。

3.これに対し、議題が「A を選任(解任)する件」であれば、「B を選任(解任)する」という議案は、当該議題の範囲外であるため、このような提案を行うことはできない。

 

問25 評議員会の議事録には、理事、監事又は評議員が記名押印する必要があるか。

(答)

1.評議員会の議事録は、評議員会の記録・証拠であるが、理事会の議事録のように出席理事等の署名又は記名押印から生ずる特別の法的効果(法第45 条の14 第8項参照)はないことから、法では、理事等の議事録への記名押印は、特に必要としていない(注1)。

2.しかし、議事録の原本を明らかにし、改ざんを防止する観点等から、評議員会の議事録についても、議事録作成者が記名押印を行うことが望ましいと思われる。

 

(注1)

 理事会の議事録には、出席した理事及び監事が記名押印しなければならないこととされている。定款で、記名押印すべき出席理事を、出席した理事長と定めることもできる(法第45 条の14 第6項)が、このような定款の定めを設けた場合であっても、理事長が出席しなかったときには、出席した理事と監事の全員が記名押印しなければならない。

 

(参照条文)

(理事会の運営)第四十五条の十四 (略)2~5 (略)6 理事会の議事については、厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもつて作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した理事長とする旨の定めがある場合にあつては、当該理事長)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。7 (略)8 理事会の決議に参加した理事であつて第六項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。9 (略)

 

 

問26 評議員会において、役員の再任案が否決され、欠員が生じた場合、どのように対応するのか。

(答)

1.法律又は定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、選任した役員(再任されなかった役員)が、新たに選任された役員が就任するまで、役員としての権利義務を有する(第45 条の6第1項)。

 

問27 「評議員に欠員が生じ、事務が停滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は利害関係人の請求により又は職権で、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる」とあるが、「利害関係人」はどのような者が該当するのか。

(答)

1.当該法人の他の評議員、役員、会計監査人、職員、債権者等が該当する。

 

問28 軽微な定款の変更を行う場合においても、評議員会を開催して決議を経る必要があるのか。

(答)

1.理事が評議員会の目的である事項(議題)について提案した場合において、当該提案につき評議員(当該事項について決議に加わることができる者)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をした場合は、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされる(法第45 条の9第10 項において準用する一般法人法第194 条第1項)。

2.したがって、評議員会の議案につき、評議員の全員から書面や電子メールで同意を得れば、評議員会を現実に開催しないことは可能である。

3.なお、適正な手続を行ったことの説明責任を果たすことができるよう、意思表示に係る文書又は電磁的記録については、議事録と同様に、その主たる事務所に10年間保存しておかなければならない(法第45 条の9第10 項において準用する一般法人法第194 条第2項)。

 

問29 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直しについて)」P10 において、「所轄庁は、評議員の申立てが権限濫用と認められる場合には、評議員会の招集を許可しないことができる。」とあるが、どのような場合が権限濫用と認められるのか。

(答)

1.権限濫用と認められる場合とは、例えば、

・ 平成28 年6 月20 日付け事務連絡「社会福祉法人制度改革における理事等の解任について」において示したとおり、理事等の解任事由は法人運営に重大な損害を及ぼすような重大な義務違反等がある場合に限定されると解されるが、このような場合に該当しないにもかかわらず、不当な動機により、又は議題が法人の利益に適合せず決議が成立する見込みのないことが客観的に明らかにもかかわらず、評議員会を招集しようとする場合である。

 

問29-2 定款例(案)第一四条の備考において「議長」とあるが、その選任方法如何。【8/22付けブロック別担当者会議FAQ 問5 同旨】

(答)

1.社会福祉法において議長に係る規定はないが、議長を置くことは可能である。

2.議長の選任方法は任意であるが、選任方法について定款に定めておくか、あるいは定款で規則等に委任しておくことが望ましい。

 

問29-3 評議員会の招集を決定する理事会と、その後開催する評議員会の開催日は、何日の間隔を置くことになるのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問6 同旨】

(答)

1.定時評議員会においては、計算書類等の備置き及び閲覧に係る規定(改正法第45 条の32 第1項)との関連から、2週間の間隔を空ける必要があるが、それ以外の評議員会については1週間の間隔を置くことにな。

 

問29-4 定時評議員会の招集通知は、計算書類等を添付して、「2週間前」に発しなければならないのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問7 同旨】

(答)

1.計算書類等の備置きの始期は定時評議員会の日の2週間前の日からであるが、招集通知については1週間前までに通知を発すれば足りる。

 

役員

問30 関係行政庁の職員から役員を選任することは可能か。

(答)

1.関係行政庁の職員が社会福祉法人の役員となることは、法第61 条第1 項の公私分離の原則に照らし適当でない。

2.社会福祉協議会にあっては、その目的である地域福祉の推進を図るための行政との連携が必要であることから、関係行政庁の職員が、その役員となることが可能である(法第109 条第5 項及び第110 条第2 項)。ただし、当該社会福祉協議会の役員総数の五分の一を超えてはならない。(法109 条第5 項及び第110 条第2 項)

 

問31 新制度の理事、監事、評議員の任期について教えていただきたい。

(答)

1.理事の任期

 理事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の集結の時までとされる(法第45 条)。ただし、定款によって短縮することは可能(法第45 条ただし書)。

 任期の終期が、「定時評議員会の終結の時まで」とされているのは、評議員会で選任されることに鑑み、次の選任の前に任期切れとなり欠員状態が生じるのを防ぐためである。

 例えば、定時評議員会を毎年6月末に行っている法人の理事の任期を例にすると、平成30 年6月末の定時評議員会で理事を選任した場合の理事の任期は平成32 年6月末の定時評議員会までの2年間となるが、平成30 年4月中旬に行った臨時評議員会で理事を選任した場合の理事の任期は平成32年6月末の定時評議員会までの2年2ヶ月間余となる。

 

2.監事の任期

 監事の任期についても、同様である。

 

3.評議員の任期

 評議員の任期は、原則として、選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとされる(法第41 条第1項)。定款で「4年」を「6年」まで伸長することは可能(同項ただし書)。

 

問32 理事の任期を「2年」の確定期間とする定款の規定は許されるか。

(答)

1.理事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までであり、定款によって短縮することが可能とされている(法第45 条ただし書)が伸ばすことはできない。

このため、理事の任期を「2年」とする規定を設けると、定時評議員会で理事を選任した場合は特段の問題はないものの、他方で、例えば、年度末の臨時評議員会で理事を選任した場合(3月末決算の法人が3月中旬の臨時評議員会で理事を選任した場合)には、理事の法定の最長の任期を伸長することなる。

2.したがって、そのような規定を設けることは適当ではない。

(参照条文)

(役員の任期)第四十五条 役員の任期は、選任後二年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし、定款によつて、その任期を短縮することを妨げない。

 

 

問33 新制度の理事及び監事の任期の起算点はいつか。理事及び監事の選任に際し、選任決議の効力発生時期を遅らせたり、就任承諾日を遅らせることにより、任期の起算点を遅らせたりすることはできるか。

(答)

1.新制度の理事及び監事の任期の起算点は、いずれも「選任時」(選任決議をした時)となる(法第45 条)。

 ある者が、社会福祉法人の理事又は監事となるには、評議員会の選任行為(選任決議)と被選任者の就任承諾とが必要となる(同法第38 条参照)が、任期の起算点を「就任時」とすると、就任承諾は被選任者の意向に委ねられる結果、評議員会の選任決議と就任承諾との間に長期間の隔たりがある場合などにおいて、任期の終期が評議員会の意思に反する事態が生じかねないため、任期の起算点は、評議員会における「選任時」となる。

 例えば、会計年度末が3月の法人が、3月下旬に開催した臨時評議員会で理事の選任決議を行い、当該理事の就任承諾が6月1日になされたとしても、任期の起算点については、選任決議の日となる。

2.なお、例えば、会計年度末が3月の法人が、3月下旬に開催した臨時評議員会で理事の選任決議を行い、その選任決議の効力発生時期を6月1日とする場合のように、評議員会の決議で、選任決議の効力発生時期を遅らせたとしても、任期の起算点については、選任決議の日と解すべきである。

 

問34 理事、監事、評議員の補欠をあらかじめ選任しておくことは可能か。

(答)

1.理事及び監事については、欠員が生じた場合に備えて補欠を選任しておくことができる(第43条第2項)。補欠の役員の任期については、「2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで」を原則としつつ(法第45条)、定款によって、短縮することが可能であり、また、前任者の残任期間とすることが可能(法第45条)。

2.評議員についても、定款で定めるところにより、補欠を選任しておくことが可能である(第41 条第2 項)。補欠の評議員の任期も、「4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで」を原則とするが(法第41 条第1 項)、定款によって、任期を前任者の残任期間の満了する時までとすることができる(法第41 条第2項)。

 

問35 理事の資格要件において「当該社会福祉法人が施設を設置している場合にあっては、当該施設の管理者」となっているが、当該法人の全ての施設の管理者を理事にするということか。

(答)

1.施設経営の実態を法人運営に反映させるため、1 人以上の施設の管理者が理事として参加することを求めているものであり、当該法人の全ての施設の管理者を理事にする必要はない。

 

問36 株式会社のような執行役員制度を設け、業務執行の責任者を理事ではない者(執行役員)とすることは可能か。

(答)

1.理事会において、特定の業務執行を理事(理事長、業務執行理事)ではない執行役員に委譲することを決定すれば、そのような取扱いは可能である。

2.ただし、この業務執行権はあくまでも理事会により内部的に委譲されているにすぎず、対外的には、執行役員は代表権を持たない。

 

問37 監事の資格要件の「財務管理に識見を有する者」とはどのような者をいうのか。

(答)

1.監事は、計算書類等の監査を行うため、財務管理について識見を有する者がいることが必須である。

2.公認会計士や税理士の資格を有する者が望ましいが、社会福祉法人、公益法人や民間企業等において財務・経理を担当した経験を有する者など法人経営に専門的知見を有する者等も考えられる。

 

問38 当該社会福祉法人の顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士は、同時に、当該法人の監事になることは可能か。

(答)

1.監事は、理事の職務や法人の計算書類を監査する立場にある。

2.法人から委託を受けて記帳代行業務や税理士業務を行う場合に、計算書類等を作成する立場にある者が当該計算書類等を監査するという自己点検に当たるため、これらの者を監事に選任することは適当でないが、法律面や経営面のアドバイスのみを行う契約となっている場合については、監事に選任することは可能である。

 

問39 「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直し)」P27において、会計監査人を設置しない法人は、専門家から、財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を受けることが望ましいとされているが、法人から委託を受けて財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援を行う者は監事になることはできるのか。

(答)

1.監事は、理事の職務や法人の計算書類を監査する立場にある。

2.財務会計に係る態勢整備状況の点検等の支援の内容が、助言にとどまる場合は可能であるが、業務執行に該当する場合には、自身で行った業務を自身で監査するという自己点検に当たるため、監事に選任することは適当でない。

 

問39-2 業務執行理事は必ず置く必要があるのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ問8 同旨】

(答)

1.法人の任意である。

 

問39-3 改正法第40 条第3 項において「評議員の数は、定款で定めた理事の員数を超える数でなければならない」とされているが、現在、理事が10 名、評議員が21 名で、平成29 年4 月1 日から、評議員を7 名とする場合(定款上7 名)、それに合わせて、理事の定款上の人数を6 名としたときには、同日で任期のある理事は定時評議員会の終結時まで任期が有効であるため、理事が10 名となり、定款に違反することになるがどうか。【8/22付けブロック別担当者会議FAQ 問9 同旨】

(答)

1.平成29 年4 月1 日から有効な定款において、理事の員数が6 名となっている場合には、平成29 年3 月31 日までに、定時評議員会で再任される予定のない理事にあらかじめ辞任をしてもらうことが適当である。

2.やむを得ない理由によりあらかじめ辞任することが困難な場合であっても、定時評議員会の終結時までに辞任することが必要である。

 

問39-4 現行の社会福祉法人審査基準では、評議員会を設置していない法人については、施設長等施設の職員である理事が理事総数の3分の1を超えてはならないこととされているが、改正法において全法人に評議員会の設置が義務付けられたことに伴い、理事総数に占める職員の割合に制限はなくなるものと考えて良いか。また、法第44 条第4 項第1号及び第2 号に掲げる者が法人内にいて、評議員で承認されれば、理事は全員法人の職員でもよいか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問10 同旨】

(答)

1.理事総数に占める職員の割合の制限は廃止することとしている。

2.法第44 条第4 項第1 号、第2 号及び第3 号に掲げる者がそれぞれ1名含まれることが必要であるため、法人の職員の中にそれぞれ該当する3名がいるのであれば、全員が法人の職員であることも可能である。

 

問39-5 「理事長の職務代理者」についての規定が定款例ではないが、従来と同様の取り扱いをすることは可能か(理事長に事故あるとき、又は欠けたときは、理事長があらかじめ指名する他の理事が、順次に理事長の職務を代理する 等)。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問11 同旨(修正)】

(答)

1.改正社会福祉法においては理事長以外の理事に対する代表権の行使は認められておらず、また、理事長は理事会において選定されることとなっているので、理事長以外の理事が職務を代理し、及び理事長が代理者を選定する旨の定款の定めは無効である。

2.なお、理事長が任期の満了又は辞任により退任した場合、新たに選定された理事長が就任するまで、なお理事長としての権利義務を有することとなる。また、事故等により理事長が欠けた場合については、理事会を開催して新たな理事長を選定することとなる。

3.また、現行制度においては、法第39 条の4 により、利益相反行為については理事が代理権を有しないこととされ、定款準則第10 条第2項により、利益相反行為及び双方代理となる事項についての理事長の職務代理が示されているが、改正後においては、現行法第39 条の4 の規定は廃止されるとともに、改正法第45 条の16 第4 項により一般法人法第84 条が準用されることとなる。

4.そのため、改正後においては、利益相反取引(自己契約及び双方代理を含む)については、理事会における承認及び報告により可能とされている。

(参照条文)

改正法第45 条の16 第4 項 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第八十四条、第八十五条、第八十八条(第二項を除く。)、第八十九条及び第九十二条第二項の規定は、理事について準用する。この場合において、同法第八十四条第一項中「社員総会」とあるのは「理事会」と、同法第八十八条の見出し及び同条第一項 中「社員」とあるのは「評議員」と、「著しい」とあるのは「回復することができない」と、同法第八十九条中「社員総会」とあるのは「評議員会」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 ○一般法人法
(競業及び利益相反取引の制限)
第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。
三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。
2 民法(明治二十九年法律第八十九号)第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号の取引については、適用しない。
(競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限)
第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。
2 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 ○民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)
(自己契約及び双方代理)
第百八条 同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

 

問39-6 理事の構成について、「施設を設置している場合にあつては、当該施設の管理者」とされているが、施設とは何か。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問12 同旨(修正)】

(答)

1.原則として、法第62 条第1項の第1種社会福祉事業の経営のために設置した施設をいう。ただし、第2種社会福祉事業であっても、保育所、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所等が法人が経営する事業の中核である場合には、当該事業所等は同様に取り扱うこととする。

2.また、上記以外の施設等の管理者についても、必要に応じて、理事に登用することが適当であること。

 

会計監査人

問40 会計監査人の設置義務は、施行日(平成29 年4月1日)以降最初に招集される定時評議員会の終結の時から適用とされているため、会計監査人による監査は平成29 年度決算から必要となるものであり、平成28 年度決算については監査不要と理解してよいか。

(答)

1 お見込みのとおり。

 

問41 社会福祉法第45 条の2において、「公認会計士法の規定により、計算書類について監査をすることができない者は、会計監査人となることができない」とされているが、公認会計士法の規定により計算書類を監査することができない者とは具体的にどのような者か。例えば、役員、職員、評議員は会計監査人になることができないのか。

(答)

1.会計監査人については、公認会計士法第24 条第1項において、以下の計算書類については、会計監査ができないものとされている。

 ① 公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類

 ② 公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類

 ③ ①及び②に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類

2.したがって、

・ 当該社会福祉法人の役員(過去1年以内に当該法人の役員であった者含む。)、職員(過去1年以内に当該法人の職員であった者を含む。)については、上記①又は②に該当し、会計監査人になることはできない。

・ 評議員については、上記①の「これに準ずるもの」に該当するため、会計監査人となることはできない。

 

問42 当該社会福祉法人から委託を受けて記帳代行を行う公認会計士は、同時に、当該法人の会計監査人になることは可能か。

(答)

1.記帳代行業務を行う公認会計士が、同時に、当該法人の会計監査人に就任した場合、自身が作成した計算書類を自身で監査することとなり、自己点検に該当するため、適当でない。

 

問43 当該社会福祉法人から委託を受けて税理士業務を行う公認会計士は、同時に、当該法人の会計監査人になることは可能か。

(答)

1.公認会計士法第24 条第1 項第3 号及び第2 項、同施行令第7 条第1 項第6 号において、税理士業務を行う公認会計士又はその配偶者が、当該法人から当該業務により継続的な報酬を受けているときには、監査業務を行うことができないとされており、会計監査人になることはできない。

 

(参照条文)

○公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)(特定の事項についての業務の制限)第二十四条 公認会計士は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第二条第一項の業務を行なつてはならない。一 公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類二 公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類三 前二号に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類2 前項第三号の著しい利害関係とは、公認会計士又はその配偶者が会社その他の者との間にその者の営業、経理その他に関して有する関係で、公認会計士の行なう第二条第一項の業務の公正を確保するため業務の制限をすることが必要かつ適当であるとして政令で定めるものをいう。3 国家公務員若しくは地方公務員又はこれらの職にあつた者は、その在職中又は退職後二年間は、その在職し、又は退職前二年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について、第二条第一項の業務を行つてはならない。
○公認会計士法施行令(昭和二十七年政令第三百四十三号)(公認会計士に係る著しい利害関係)第七条 法第二十四条第二項(法第十六条の二第六項において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める関係は、次の各号に掲げる場合における当該各号に規定する公認会計士又はその配偶者と被監査会社等との間の関係とする。六 公認会計士又はその配偶者が、被監査会社等から税理士業務(税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条に規定する税理士業務をいう。以下同じ。)その他法第二条第一項及び第二項の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている場合

 

 

問44 会計監査人設置義務対象法人について、「法人の責めによらない理由(監査法人の倒産等)により、会計監査人による会計監査報告を所轄庁に届け出ることができない場合においては、所轄庁は届出の猶予等を行うことが必要。」とあるが、「法人の責めによらない理由」とは何か。

(答)

1.法人の責めによらない理由とは、①災害の発生、②公認会計士事務所又は監査法人の倒産、③会計監査人が法第45 条の5第1項各号(以下ⅰからⅲ)のいずれかに該当すること、により会計監査人と契約解除せざるを得ない場合である。

 ⅰ 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき

 ⅱ 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき

 ⅲ 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき 等

 

理事会関係

問44-2 平成29年度の新理事による理事会の開催(理事長の選定等)について、新評議員による定時評議員会(決算、新役員等)と同日に開催しなくてもよいのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問13 同旨】

(答)

1.評議員会で新理事が選任された後、新理事による理事会を開催し、速やかに新たな理事長を選定することが必要である。

2.なお、理事会の招集手続きの省略等により同日開催することも可能であり、同日開催としない場合にも、速やかに理事会において理事長選定を行うことが必要である。

 

問44-3 監事の理事会への出席が義務となったが,監事が欠席した場合に理事会は成立するのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問14 同旨】

(答)

1.監事は理事の職務の執行を監査する立場にあり、理事会への出席が義務付けられているが、適正な招集通知を行った結果、監事が欠席したとしても、理事会の成立要件を満たしていれば、当該理事会は有効なものとなる。

2.なお、正当な理由がなく監事が理事会を欠席し、そのことにより理事への監督や監査が不十分となり、法人やその関係者が損害を受けた場合には、監事は職務上の義務違反として損害賠償責任を負うこともある。

 

任期関係

問44-4 現評議員の任期が平成29 年3 月中旬で満了する場合、現行制度に基づき、評議員を選任(再任)しても、数日後の3 月31 日で任期満了となるが、任期満了までに次年度の予算等の評議員会における審議が終了していれば、現行制度に基づく評議員の選任までは行う必要はないと考えてよいか。一方、現理事の任期が平成29 年3 月中旬で満了する場合はどうか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問15 同旨】

(答)

1.旧法に基づく評議員については、既に平成29 年度の予算等の評議員が開催されているなど法人運営に支障がないのであれば、数日間、評議員が欠けることもやむを得ないと考えている。

 一方、理事については、平成29 年4 月1 日時点で任期が有効な理事がいない場合には、同日以降、理事が欠けることになってしまうため、平成28 年度中に選任(再任)しておくことが必要である。

 

問44-5 「平成29 年4 月1 日時点で在任する役員の任期は、最初に招集される定時評議員会の終結の時まで」となっている。最初に招集される定時評議員会後まで任期がある役員の任期は、その定時評議員会の終結の時まで短縮されると理解しているが、定時評議員会前に任期が満了する役員についても任期は定時評議員会の終結の時まで再任手続等を行わなくても自動的に延長されるという理解で良いか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問16 同旨】

(答)

1.再任手続等を行うことなく、法の規定に基づき、任期が延長されることとなる。

 

○改正法附則
第十四条 この法律の施行の際現に在任する社会福祉法人の役員の任期は、新社会福祉法第四十五条の規定にかかわらず、施行日以後最初に招集される定時評議員会の終結の時までとする。

 

問44-6 評議員、理事、監事の就任日はいつになるのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問17 同旨】

(答)

1.任期の始期は選任された日であるが、就任日については、選任及び本人による就任の承諾があった日である。

2.なお、就任承諾書は事前あるいは選任された日当日に受け取ることが望ましい。

 

報酬

問45 交通費は支給基準を定める必要がある報酬に含まれるのか。

(答)

1.交通費の実費相当分は報酬に含まれない。なお、名称(「車代」等)にかかわらず、実質的に報酬に該当するものは、支給基準の対象とする必要がある。

 

問46 報酬等の支給基準を定めることとされているが、これは、非常勤理事や評議員に対して報酬を支給しなければならないということを意味するのか。

(答)

1.社会福祉法人の報酬等が、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与や社会福祉法人の経理状況等に照らし、不当に高額な場合には、法人の公益性・非営利性の観点から適当ではない。このため、理事等に対する報酬等が不当に高額なものとならないよう支給の基準を定めることとしている(法第45 条の35 第1項)。

2.報酬等の支給基準の策定は、報酬等の支給を義務付ける趣旨ではなく、無報酬でも問題ない。その場合は、報酬等の支給基準において無報酬である旨を定めることになる。

3.なお、定款で無報酬と定めた場合、又は、常勤役員等に対して「支給することができる」と規定しつつ、当面の間は役員報酬を支給する予定がない場合においても、支給基準は策定し、無報酬である旨を定める必要がある。

 

問47 理事、監事及び評議員の区分ごとの報酬等の総額については、職員としての給与も含めて公表することとしているが、職員給与を受けている理事が1名しかいない場合、当該理事の職員給与額が実質的に特定されることがあるが、このような場合であっても、公表する必要があるのか。

(答)

1.社会福祉法人の財務規律の確立、事業運営の透明性の確保の観点から、役員報酬等の総額を公表することは重要である。

2.他方、個人情報の保護の観点から、職員給与を受けている理事が1名の場合であって、個人の職員給与が特定されてしまう場合には、職員給与の支給を受けている理事がいる旨明記した上で、職員給与の支給を当該理事の職員給与額を含めずに役員報酬等の総額を公表することとして差し支えない。

 

その他

問47-2 定時評議員会の2週間前から計算書類を備え置くことが義務付けられているが、定時評議員会で修正等があることも考えられるため、備え置く計算書類に「定時評議員会の承認前であり、今後修正等があり得る」と記載したほうが良いのか。また、定時評議員会で修正等があった場合には、差し替えを行うのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ問18 同旨】

(答)

1.定時評議員会の2週間前から計算書類を備え置くことが義務付けられているため、理事会における計算書類の承認は定時評議員会の2週間前に行うことが必要である。

2.法律上、定時評議員会の承認前から計算書類を備え置くことになっていることから、「定時評議員会で承認を受ける前であるため、修正等があり得る」等の付記は不要であるが、法人の判断で付記することも差し支えない。また、仮に定時評議員会で修正等があった場合には、差し替えを行うこととなる。

 

問47-3 組合等登記令第3 条第3 項(資産総額の変更登記は毎事業年度末日から2 ヵ月以
内)は改正されるのか。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問19 同旨(修正)】

(答)社会福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(平成28 年政令第349 号)第2 条により、組合等登記令(昭和39 年政令第29 号)における資産の総額の変更の登記の期限が「2月以内」から「3月以内」に改正されている。

 

問47-4 定款例(案)における残余財産の帰属について、社会福祉事業を行う学校法人及び公益財団法人が追加されているが、法人において、社会福祉法人に限定することは可能か。【8/22 付けブロック別担当者会議FAQ 問20 同旨】

(答)

1.解散に関する事項は必要的記載事項にあたり、社会福祉法において、残余財産の帰属すべき者を規定する場合には、「社会福祉法人その他社会福祉事業を行う者のうちから選定されるようにしなければならない」とされているが、法人において、定款で社会福祉法人に限定することは問題ない。