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「社会福祉法第55 条の2の規定に基づく社会福祉充実計画の承認等 について(案)」に対する意見募集の結果について

社会福祉法人制度改革

制度改革情報

 表記のパブコメ結果が公表されています。本文には記載されない考え方等が示されていますので紹介しておきます。

 「社会福祉法第55 条の2の規定に基づく社会福祉充実計画の承認等について(案)」に対する意見募集の結果について

 

「社会福祉法第55 条の2の規定に基づく社会福祉充実計画の承認等について(案)」に対する意見募集の結果について
平成2 9年1月2 4日
厚生労働省
社会・援護局福祉基盤課

 

 平成28 年12 月14 日(水)から平成29 年1月12 日(木)までの間、「社会福祉法第55 条の2の規定に基づく社会福祉充実計画の承認等について(案)」に関して意見を募集したところ、144 通の御意見が寄せられました。
 お寄せいただいた御意見とそれらに対する考え方につきまして以下のとおり取りまとめましたので、公表いたします。
 なお、取りまとめの都合上、いただきました御意見のうち、同趣旨のものは適宜集約するとともに、意見募集の対象となる事項のみお示ししております。
 また、誤謬訂正に関するご意見については、正式に通知する際に、適宜反映をさせていただきます。
 今回御意見をお寄せいただいた方々の御協力に、厚く御礼申し上げます。
整理
番号
主な御意見の概要
御意見に対する考え方
総論関係

 1

 事務処理基準及び別に定める単価については、制度施行後の状況を踏まえ、検証・見直しを行うべき。

 社会福祉充実計画の策定等については、制度改正による新たな取組であることから、制度施行後の状況を注視しつつ、課題がある場合には必要な見直しを行ってまいります。

 2

 社会福祉法人が保有する余裕財産については、社会福祉充実計画を通じた社会福祉充実残額の再投下の義務付けではなく、所轄庁による指導の強化等を通じて有効に活用されるようにすべき。

 これまでの社会福祉法人制度においては、法人が保有する財産の分類や取扱いに係るルールが必ずしも明確でなく、公益性の高い非営利法人として、これらの財産の使途等について明確な説明責任を果たすことが困難でした。

 このため、全ての法人に共通するルールを設定した上で、その保有する財産から事業継続に必要な財産を控除し、これを上回る財産(社会福祉充実残額)がある場合には、社会福祉充実計画を策定するとともに、これに従って既存事業の充実や新たな事業に再投下を義務付けるなどの見直しを行うものです。

 こうした見直しを通じて、税制優遇を受ける公益性の高い非営利法人として、地域における取組を一層促すとともに、説明責任の強化を図るものであり、ご理解をいただきたいと考えます。

 3

 社会福祉充実計画を策定するための時間的余裕がなさ過ぎる。少なくとも初年度においては一定の時間的配慮を行うべき。

 厚生労働省としては、Q&A の発出等を通じて、法人において、社会福祉充実計画が円滑に策定できるよう、必要な支援を行ってまいります。

控除対象財産の算定方法関係

 4

 社会福祉充実残額の算定に当たって、財産目録の記載など、法人の事務処理が煩雑になるのではないか。

 「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」において、社会福祉充実残額算定シートを組み込むこととしており、当該算定シートにおいて、自動計算ができるようにすること等により、可能な限り円滑に事務処理が行えるよう、配慮しているところです。

 今後とも、法人の事務処理の円滑化が図られるよう、制度の施行状況を注視してまいります。

 5

 人件費積立資産、修繕積立資産等の積立資産については、控除対象財産とすべき。

 社会福祉充実残額の算定ルールは、全法人にとって公平なものであることが必要であることから、法人の任意でその多寡を決定できる積立資産については、会計上当該積立資産が計上されていることのみをもって控除対象財産とすることは困難であると考えております。

 6

 従業員向けの駐車場の設置に係る土地は控除対象財産に位置付けて欲しい。

 「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」として、控除対象財産となります。

 7

 対応基本金の調整は、これを行うことにより、建物価額がゼロとなってしまうケースがあることから、行うべきではない。

 基本金については、法人が維持すべき財政基盤であることから、事業継続に必要な財産として、法人が保有する資産から差し引くこととしています。

 なお、減価償却が相当程度進んでいる場合、対応基本金等の調整により、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」の計算結果がマイナスとなることがあり得ますが、この場合、他の控除対象財産の計算に影響しないよう、ゼロとする取扱いとしています

 8

 減価償却累計額は、固定資産の維持・更新のための費用であり、全額控除対象財産とすべき。

 「再取得に必要な財産」の算定方法については、社会福祉法人を含め、事業体が継続的に経営する際、借入金の活用を含む運営を行っていること、また、現状、社会福祉施設等の整備に当たって、補助制度や融資制度が活用されていることなどを考慮し、一般的な自己資金の比率の範囲内で控除対象財産とすることといたしました。

 9

 「再取得に必要な財産」の算定に当たっては、建物の減価償却累計額ではなく、総工費を基準とすべき。

 「再取得に必要な財産」の算定に当たって、総工費を基準とした場合、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」において貸借対照表価額を控除していることから、当該価額相当額が二重に控除されることとなるため、適当ではないと考えています。

 10

 「再取得に必要な財産」については、建物を基準とした場合、解体費用や整地費用、仮施設の設置、人件費増の補てん、災害などによる不測の支出などの費用を賄うことができず、事業継続に必要なリスクヘッジが困難であり、これらを含めた算定方法を考えるべき。

 「再取得に必要な財産」の算定方法については、全法人にとって公平なルールを設定する観点から、建物を基準として算定することとしたものであり、ご理解をいただきたいと考えます。今後とも、制度の施行状況を注視した上で、必要な検討を行ってまいります。

 11

 「再取得に必要な財産」については、平均的な自己資金比率ではなく、実際の自己資金比率で算定すべき。

 「再取得に必要な財産」の算定に当たっては、平均的な自己資金比率又は建物建設時の実際の自己資金比率のいずれか高い方を法人が選択できる仕組みとしています。

 12

 「再取得に必要な財産」の算定に当たっては、これまでの間、1人当たりの居室面積基準等が引き上げられてきたことを適切に勘案すべき。

 今回の制度改革においては、事務処理の簡便性などにも配慮しつつ、ご指摘のような点があることを踏まえ、建設時の㎡当たりの単価と、直近の平均的な㎡当たり単価である25 万円を比較した乗率を勘案することができることとしているところです。

 当該平均的な㎡当たり単価については、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」を通じて把握できるデータなどを踏まえ、引き続き検証・検討してまいります。

 13

 「再取得に必要な財産」の計算式については、建替等に当たって確実に国庫補助がなされることが前提となるべき。

 将来の建替等の際の動向は定かではありませんが、「再取得に必要な財産」の計算に当たって必要となる一般的な自己資金比率等については、直近の国庫補助水準の動向等を踏まえつつ、必要な見直しを行ってまいります。

 14

 1㎡当たりの建設等単価については、直近1年又は2年の状況を反映すべき。

 制度施行においては、一定のデータの母数を確保する観点から、直近5か年の実績を元に設定いたしました。

 今後、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」を通じて把握できるデータなどを踏まえ、その在り方について引き続き検証・検討してまいります。

 15

 建設等単価については、地域差を考慮できるスキームとすべき。

 今回の制度改革においては、地域ごとの建設費に係る網羅的なデータを把握することが困難であったことから、全国的な平均額といたしましたが、今後、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」を通じて把握できるデータなどを踏まえ、その在り方について引き続き検証・検討してまいります。

 16

 「大規模修繕に必要な費用」の算定に当たって、大規模修繕とは具体的にどのような内容を指すのか、その定義を明確にすべき。

 大規模修繕の定義については、今後、Q&A 等でお示しをしたいと考えています。

 17

 社会福祉法人本部に係る経費については、他の拠点区分から繰り入れを行っているため、本部拠点区分に限って、運転資金として年間事業活動支出全額を控除対象とすべき。

 控除対象財産の算定は、法人単位で算定するものであり、本部会計の拠点・施設会計の拠点等、いずれの拠点単位に属している運転資金かは考慮しないこととしています。

 18

 「主として施設・事業所の経営を目的としていない法人等の特例」については、自治体からの公費の交付に係る運用や補助金を受けて設置された基金の保有などの実態を踏まえ、より弾力的に見直しをして欲しい。

 ご意見を踏まえ、社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準の3の(7)の規定について、「再取得に必要な財産」と「必要な運転資金」との合計額が年間事業活動支出を下回る場合には、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」及び「年間事業活動支出」の合計額を控除する計算式に見直しを行うことといたしました。

社会福祉充実計画関係

 19

 社会福祉充実計画の実施期間は最大10年間では短すぎるので、もっと長くすべき。

 社会福祉充実計画の実施期間については、行政計画などとの整合性を確保しつつ、法人に対し、実効性を伴う取組の実施を促す観点から、過剰に長期の実施期間となりすぎないよう、最大10年間としていますので、ご理解をいただければと考えます。

 20

 社会福祉充実残額が少額である場合、事業として計画書を作ることは困難であるため、計画を策定する充実残額は100 万円以上とすべき。

 社会福祉充実残額を活用した事業は、地域住民を対象としたサロン活動や相談活動など、コストをかけない多様な取組も想定されることから、画一的な最低額を設定することは困難であると考えています。

 ただし、計画策定にかかるコストが社会福祉充実残額を上回る場合には、計画策定を不要とし、柔軟な運用を行うこととしています。

 21

 社会福祉充実残額は、計画期間を超える期間での活用のため、例えば施設の維持・更新のための積立金など、計画的に保有することを認めるべき。

 社会福祉充実残額については、社会福祉充実計画の実効性を確保する観点から、原則として、最大10年間の間に、全額を再投下することとしつつ、例外的に計画期間内での費消が困難な場合に限り、その一部を社会福祉充実事業に充当しないことを容認することといたしました。

 今後とも、制度施行後の状況を注視しつつ、こうした取扱いについて検証・検討を行ってまいります。

 22

 社会福祉事業や公益事業を行う社会福祉充実計画についても事業区域の住民その他の関係者の意見を聴くべきではないか。

 法律上、地域公益事業を行う社会福祉充実計画のほか、地域住民等の意見を聴く義務はありませんが、運用上、ご指摘のような場合についても、併せてその意見を聴くことは可能です。

 23

 公認会計士や税理士の意見聴取について、理事のうち、これらの資格を有する者に行うことは可能、理事長であってこれらの資格を有する者に行うことは不可能であると考えられるが、これらを明文化して欲しい。

ご 意見を踏まえ、社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準の5の規定について、ご指摘の点を明確化するための修正をいたします。

 24

 社会福祉充実計画に基づく事業実績の公表については、努力義務ではなく、義務とすべき。

 今回の制度改正における社会福祉充実計画の事業実績の公表については、当該計画策定の目的が、主に社会福祉充実残額の将来的な使途を明らかにすることを通じて、法人の説明責任の強化を図るものであることを踏まえ、努力義務として整理しました。

 社会福祉充実事業の実績に対する所轄庁の監督を含め、今後、制度の施行状況を注視した上で、必要な検討を行ってまいります。

地域協議会関係

 25

 地域協議会の設置については、全国一律に義務を課すのではなく、地域の実情に応じて弾力的に運用できるようにすべき。

 また、地域協議会の運営に当たって、国は財政的な援助を行うべき。

 地域協議会については、法人が策定する社会福祉充実計画に、地域の福祉ニーズを客観的に反映する観点から設置が必要と考えていますが、制度施行初年度においては、体制整備が困難な実情も踏まえ、その取扱いについて、今後、Q&A 等でお示しをしたいと考えています。

 なお、地域協議会の立ち上げに係る費用については、平成29年度予算案に盛り込まれた「社会福祉法人による多様な福祉サービスの提供体制構築支援事業」の補助対象とするとともに、その運営経費については、地方交付税の積算基礎に盛り込む予定です。

 26

 地域協議会については、社会福祉協議会が設置主体として明確に位置付けられるべき。

 社会福祉協議会は、「社会福祉を目的とする事業の企画」等をその設置目的としていることから、地域協議会の実施に当たって、大きな役割を担っていただくことを期待しています。

 しかしながら、地域の社会資源の状況は多様であることから、画一的に社会福祉協議会のみに限定することは困難であると考えています。

その他

 27

 措置施設において、社会福祉充実残額が生じた場合、措置費の使途制限との関係はどうなるのか。

 今回の制度改正を踏まえ、措置費の使途制限に係る上限額の範囲内で、地域公益事業など、さらに柔軟に活用できるよう、弾力運用の取扱いについて、検討を行うこととしています。

 28

 会計基準上、社会福祉充実計画に対応した新たなサービス区分を設けるべき。

 社会福祉充実計画については、既存事業の充実を図ることも可能であることから、会計基準上、必ずしも新たなサービス区分を設けることとしていませんが、新規事業を実施する場合に、法人の判断で新たなサービス区分を設けることは可能です。

 今後とも、制度施行後の状況を注視しつつ、会計上の取扱いついて検証・検討を行ってまいります。