不正関係
すでに新聞等で報道されている横浜市にある社会福祉法人ももの会での不適切な経理処理について、横浜市のホームページに公開されていましたので紹介します。
指導事項がたくさんあるので、社会福祉法人関係者、特に監事の先生は熟読して参考にしてください。
横浜市 社会福祉法人「ももの会」への特別指導監査等の結果について (平成29年08月25日記者発表資料概要)
例えば1,000万円以上の現金が経理処理されず、理事長室に置かれてれていたとあります。
2 保育所の特別指導監査結果についての概要
(3)ずさんな現金管理
現金11,182,314円が会計処理や口座への入金がされておらず、理事長室他に置かれていた。理事長らの説明によると、財源は保護者からの徴収金が主ということであったが、内訳や徴収時期や支払者等が確認できる書類がなかった。
改善指示事項:過去5年間の保護者からの徴収金額を調査し、その現金の所在を報告するとともに、再発防止等、必要な措置を講ずること。
これでは入金した金額も使った金額も、その内容もまったくわかりません。
さらに、ずさんな経理処理以外にもこんな指摘があります。
4 社会福祉法人ももの会への特別指導監査結果についての概要
議事録の無効及び不備や、本人の承諾を得ずに法人所有の本人印を使って、議事録や就任承諾書を作成する行為がありました。
(1)問題点
ア 平成29年3月27日開催の理事会
a 理事会議事録の無効
欠席者を出席と記載し、欠席者が議事録署名人に選出されていた。議事録署名欄に、欠席者本人に覚えのない記名押印がされていた。
辞任届や就任承諾書が当日提出されたかのように記載されていた。なお、就任承諾書について、本人に断りなく記名押印していたものがあった。イ 平成29年3月27日開催の評議員選任・解任委員会
a 評議員選任・解任委員会議事録の不備
出席者や討議時間等について議事録が正確に記載されていたとは認められなかった。
ウ 書類の偽造
理事長室において理事や評議員候補者等の印鑑が自由に使える状態で保管されており、これらが議事録や就任承諾書の偽造等に使用されていた。
(2)改善指示事項
ア 無効及び不備が指摘された議事録について再作成又は修正すること。原因を調査し、再発防止に向けた改善内容を報告すること。
イ 関係者の印を使用して書類を作成した経緯を調査し、報告すること。再発防止に向けた改善内容を報告すること。
職員の方は理事長から命令されても、絶対に従ってはいけません。
コンプライアンスの問題のような形で挙げられていますが、私文書偽造で立派な刑法犯だと思いますので、懲役刑ではないでしょうか。
さて、このような事例を防ぐために監事の先生はどのように対処するべきでしょうか。責任も重くなっていますので、よく考えて監事監査をする必要があります。
期末に計算書類の説明だけ聞いて、「監事監査終了」なんて言ってると後で痛い目にあうかもわかりません。