社会福祉法人の会計情報

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会計処理で社会福祉法人が混乱 背景に現前理事長の軋轢(産経ニュース)

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 産経ニュースにこんな記事が掲載されています。

 会計処理で社会福祉法人が混乱 背景に現前理事長の軋轢(1/3ページ) - 産経ニュース

 会計処理で混乱とされていますが、会計処理に関する記載は下記の部分だけです

 平成26年度決算で本来計上されるべき27年3月分の社会保険料(250万円分)が適切に処理されておらず、29年度決算で設備資金にかかわる借入金の元金償還支出(271万円)も計上されていないことなどが報告された。

 社会保険料はそらく3月分の未払計上漏れなのでしょうね。未払計上すべき社会保険料を翌年の支払時に処理してしまったのでしょうから期間損益計算の観点から厳密に言えば虚偽表示ですが、法人に対して実損を与えているわけではないので、大きな問題になる話とは思えません。
 
 借入金元金償還支出についてはよくわからない話です。内容からして資金収支計算書のことだと思われますが、実際に支払ったのなら、借入金元金償還支出を計上せずに計算書類が整合するはずはありません。支払うべきものが遅れたという話ならわからなくもないですが、その場合は借入金元金償還支出が計上されないのが会計処理は正しいという話になります。借入金の残高証明や預金の動きを見れば簡単にわかる話だと思います。
 
 社会保険料も借入金元金償還支出も会計処理の問題ではありますが、タイミングのズレだけのような感じがしますので、お金を着服したとか横領したという話でもなく、そんなに大きな問題になるようにも思えません。
 
 もうひとつ高額報酬と就業時間中の講演料報酬の話が出ています。

 職員としての出勤率が「25%以下」でありながら、高額の報酬を得ていると指摘。ウイークデーの出張が「72~75%以上」と多い上、協会に出勤したことになっていることも問題視した。「出勤すべき平日の出張講演」で●●氏が報酬を得ていた可能性に言及し、それが協会に一切、納入されていない

 これについては会計処理の問題ではなく、妥当ではない給与が支払われていた可能性がありますので、出勤簿や出張報告などをチェックして、就業規則に照らして適切な処理がなされたいたか検証する必要があると思います。もちろん過大な給与支給があれば返還請求等を行う必要があります。
 
 記事を読む限りでは、理事長職を巡っての内部紛争という感じが否めません。行政まで巻き込む事態になっているようですが、その前に法人内部で解決すべきであった事案だと思います。

 ちなみに記事の社会福祉法人の法人情報はこちらです。

 法人詳細情報(社会福祉法人 恵仁福祉協会)