社会福祉法人の会計情報

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無形固定資産に対する減価償却累計額は直接法により表示する(運用上の取扱い)

開示関係

 今年もそろそろ開示例が出てきましたが、こんな表示を見かけました。

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無形固定資産に対する減価償却累計額

 何か違和感がありますね。そう、無形固定資産に対する減価償却累計額が間接法で表示されています。

 以前から両論あったと思いますが、平成30年3月20日発出の以下の通知でダメになりました。平成31年3月期から強制適用です。

  「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」の一部改正について(平成30年3月20日)

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運用上の取扱い

  無形固定資産の減価償却累計額を直接法で表示した場合、その金額を注記する必要があるのではないかと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、これも改正されています。

 従来、直接法を取っている場合の注記項目は「固定資産の取得価額、減価償却累計額及び当期末残高」でしたが、今は「有形固定資産の取得価額、減価償却累計額及び当期末残高」に変わっています。

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運用上の取扱い2

 この注記項目の変更を見逃している計算書類は非常に多いです。未だにソフトウェアなどの無形固定資産の減価償却累計額を注記している計算書類は改正点をきちんと把握していないことを自ら証明していることになってしまします。指導監査で「注記項目が適切ではない」等の指摘事項が多くあがってくることが予想されます。

 ところで、無形固定資産の減価償却累計額を昨年まで間接法で表示していた法人は、今年から直接法に変更する必要がありますが、その場合は「その他社会福祉法人の資金収支及び純資産の増減の状況並びに資産、負債及び純資産の状態を明らかにするために必要な事項」あたりに変更の注記をしておくべきなのでしょうね。