社会福祉法人の会計情報

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社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A(vol.2)(平成29年9月26日発出)【厚生労働省】

制度改革情報

 厚生労働省のホームページ「社会福祉法人制度改革に ついて」に以下の平成29年9月26日発出通知が掲載されました。 

社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A(vol.2) [108KB]

 このQ&Aは2つだけなので、以下に掲載しておきます。問1は専門家支援に関する微妙な取り扱い、問2は監事報酬の配分決定の取り扱いについてのものです。 

社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A(vol.2)

 

 問1 決算業務又は記帳代行業務を行う専門家が、財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援を行い支援業務実施報告書を提出した場合、所轄庁として監査周期の延長等を行うことは可能か。また、顧問契約等により会計又は税務の相談対応や指導業務を行う専門家の場合は可能か。

 

 (答) 決算業務又は記帳代行業務(以下「決算業務等」)を行う専門家は、法人の会計処理上の判断や意思決定、計算書類等の作成に直接関わる者(以下「直接関与者」)と考えられる。直接関与者が「会計監査及び専門家による支援について」(平成29年4月27日付け社援基発0427 第1号厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長通知)の1の(2)による「専門家による支援」を行うことは、自らが関与した会計処理や計算書類等について、自らが関与した業務を自ら点検(以下「自己点検」)することとなり、法人との関係において客観的な立場により行ったものとならないため、所轄庁の指導監査の代替が可能となる法人の事務処理体制の向上に関する支援を行ったこととはならず、延長等を行うことは適当でない。
 なお、顧問契約等により会計又は税務の相談対応や指導業務を行う専門家は、専門的な立場から見解を述べることが主要な業務内容であり、間接的な関与に留まることが想定されるため、原則として自己点検には当たらず延長等を行うことは差し支えない。
 ただし、直接関与者が法人業務の自己点検の一環として当該法人に対して支援を行うこと自体が否定されるものではない。

 

 問2 監事の報酬等について、定款又は評議員会の決議によって監事の報酬総額のみを定
めているときは、その具体的な配分は、監事の協議により定めることとしているが、監事の報酬等の支給基準が評議員会の承認を受けて定められている場合、監事の報酬等の具体的な配分について評議員会の決議があったものとして、改めて監事の協議により、具体的な配分を決定する必要はないと理解してよいか。

 

(答) お見込みのとおり。

 この通知の発出に伴い社会福祉法人制度改革Q&Aも平成29年9月26日現在に改訂されています。

社会福祉法人制度改革Q&A(平成29年9月26日現在) [335KB]  

社会福祉法人モデル経理規程(東社協版)【東京都社会福祉協議会】

制度改革情報

 東京都社会福祉協議会のホームページでモデル経理規程尾(東社協版)が公開されています。

  社会福祉法人モデル経理規程尾(東社協版)

 また、合わせて、東社協福祉施設経営相談室だより№142も公開されていますので合わせて参考にしてください。

 東社協福祉施設経営相談室だより№124

 なお、モデル経理規程は、中小規模の社会福祉法人を前提として作成されているようです。以下の前書がりますので、注意してください。

 モデル経理規程の策定に当たって

 社会福祉法が改正され、これに基づいて「定款準則」が「定款例」と変わり、行政の関わり方も変化しております。そのため、全国社会福祉協議会の「全国社会福祉法人経営者協議会」が「モデル経理規程(以下、「全社協モデル経理規程」と称する。)」として定め、その後厚生労働省が追認する形で奨励されてきたものについても東京都社会福祉協議会として検討することと致しました。

 検討に当たっては、改正社会福祉法における、ガバナンスの強化を中心とした所要の事項に関する経理規程としての内容の採り上げ方及び租税特別措置法第40条(寄付者等のみなし譲渡所得に対する非課税特例)の適用法人に関する定款例への所要事項の取り込みに関する取扱いについて整理しました。

1.統括会計責任者の取扱い

 改正社会福祉法における新しいガバナンスにおける「業務執行理事」の役割と全社協モデル経理規程における統括会計責任者の関係の整理及びその必要性について検討しましたが、今回の検討対象とする「モデル経理規程」は、特定社会福祉法人ではなく中小規模の社会福祉法人を前提として整理することとし、複数拠点区分を有する中小法人で、従来からの拠点区分の会計責任者とは別に法人単位の計算書類の調製(事業区分計算書類の作成を必要とする場合の当該事業区分計算書類を含む。)を実質的に担当する毛色の異なる会計責任者を「統括会計責任者」に代わって「法人単位計算関係書類調製責任者」として権限を限定しつつ組織を形成するための規定を設けることとしました。そのため、「統括会計責任者」の職制を採用する必要があると考えられている法人においては全社協モデル経理規程を参照することが必要となります。

2.租税特別措置法第40条の取扱い

 租税特別措置法第40条の適用を巡って定款例(局長通知)と定款例(事務連絡)とが在りますが、殆どの社会福祉法人ではその設立時において措置法40条の適用を受けて設立されており、既に適用されている場合であってもその適用要件を社会福祉法の改正によって変更するとは言えないことが確認されたことから、このことを前提として「経理規程」も制定されなければならない場合が多いと思われるため、そのことを前提として規程案の文例を整理しました。

 なお、本モデル経理規程の読み方としては、全社協モデル経理規程において付されている注記については、一般的な解説としてその有効性を認めつつ本モデル経理規程における変更・追加箇所に対するコメントを付しているので併せてお読み頂く必要があることを申し添えます。

 経理規程は一度決めたら変えてはいけないというようなものではりません、法人に応じて使い勝手の良いように、常に見直すべきものだと思います。中小の社会福祉法人の皆様は、東社協版のモデル経理規程を参考にして経理規程を見直してみてはいかがでしょうか。